【テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】
これ、いくつか原因があると私は思っています。まず最初は「各局の社風の違いによる“アナウンサーに求めるもの”の違い」が大きいかと。
一番保守的なのは当然ですがNHKです。「アナウンサーは正確にアナウンスをする専門職」という捉え方で、ビシビシ訓練されて一人前の技術を持つまで脚光を浴びることはできません。こういう「体育会系アナウンス部」的なものが残っているのは、民放では日テレとテレ朝です。こういう会社ではチャラチャラすることは許されませんし、比較的長い下積み期間が求められます。
他方で「アナウンサーはタレント」という考え方なのがフジテレビとTBSです。テレ東もこっち寄りです。特に女子アナに関しては「若いうちに売り出して人気者に育てよう」という方針を持つ局なので、入社即番組にガンガン出て人気者になり、辞めてフリーになる人が多いです。
だから、テレ朝は比較的アナウンス部も体育会系で、きっちり鍛え上げられるので、若いうちにそんなにチヤホヤされず、だから辞めにくいというのがまずは大きいと思います。同じく日テレも退職者は比較的少ないのではないでしょうか。
あと考えられるのは「アナウンススクールが強い」ということではないでしょうか。テレ朝には「テレビ朝日アスク」というアナウンススクールがあるのですが、ここが最近結構強くて、テレ朝に限らず各局のアナウンサーを輩出している状況です。
そうなるとテレ朝のアナウンサーは入社前からテレ朝のアナウンサーを「師匠」と仰いでいることになる。アナウンサーとして一から育ててもらって、学生時代から深い人間関係を築いているわけですから、テレ朝のアナウンス部は「結束が強い」ということは言えると思います。そもそもアナウンス部が強いので、制作からの無理な要求からも守ってもらえる側面も強い。だから辞めない、というのも大きいのではと思います。
最後は「そもそもテレ朝はゆるい社風で、退職者が少ない」というのはあります。私もずいぶん勝手気ままな局員生活を送らせてもらいましたが、とにかくテレ朝の人は他局より優しくておっとりしている。みんなで「視聴率低かったねワハハハ。また頑張ろう」みたいに笑っているような社風なので、ぬるま湯で居心地がいい。これも大きいかな。
(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)
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