停戦合意したはずが、米イスラエルとイランの衝突が収まらない。トランプ大統領はSNSで「イランが石油タンカーにホルムズ海峡を通過させる上で、極めてズサンな仕事をしている」と書き「これは我々が交わした合意ではない!」とブチまけたが、度を越した言動にMAGA派からも正気を疑う声が出てきた。
トランプ大統領は、イランとの停戦合意直前の7日、SNSに「今夜、一つの文明全体が滅び、二度と戻らないだろう」と投稿。バンス副大統領が「まだ使っていない手段がある」と警告したことで、核兵器使用の可能性が示唆された。さらにトランプ大統領は、5日にもSNSで「クソッタレの海峡を開けろ、狂った野郎ども。さもないと地獄に落ちるぞ!」と罵ってみせた。
■「罷免要求」まで噴出
こうした言動に“身内”のMAGA派が続々と批判を展開。米保守系評論家のタッカー・カールソン氏は「核戦争への第一歩」「大統領に『ノー』と言うべき」と発言。著名な陰謀論者のアレックス・ジョーンズ氏は「北朝鮮の金正恩でさえこのような言い方はしない」と酷評した。第1次トランプ政権で広報部長を務めたアンソニー・スカラムーチ氏に至ってはトランプ大統領を「狂人」と呼び、罷免要求したほどだ。
こんな批判にトランプ大統領は9日、カールソン、ジョーンズ両氏と他2人の右派論客をSNSで名指しで猛批判。「彼らは愚か者だ。自分たちでも分かっている。家族も、他のあらゆる人々もそれを知っている!」「こうしたいわゆる『評論家』たちは負け犬であり、これからもずっとそうだ!」と罵ったのだ。
タガが外れたような暴言の連発を受け、米政界で急浮上しているのが、トランプ大統領の「認知能力低下」説だ。米民主党の戦略家ジェームズ・カービル氏は「トランプ大統領の認知能力が急速に悪化している」と指摘。今月6日の会見では、記者から「(トランプに)精神鑑定を求める声もある」とまで問われていた。
「トランプ氏の認知能力低下はデマとは言い切れません。2024年の大統領選で演説中に銃撃され、右耳を負傷。この時に脳にダメージを受け、感情のコントロールが困難になったのでは、と囁かれているのです」(米国人ジャーナリスト)
認知能力の低下で正常な判断ができない――。事実なら恐ろしい話だ。上智大教授の前嶋和弘氏(現代米国政治)が言う。
「今回、トランプ氏を批判したのは、基本的にMAGA派を抜けた人物ばかり。トランプ氏からしたら『裏切り者』で、こうした発言は不思議なことではありません。また、トランプ氏の認知能力に疑問符をつける報道が出ていますが、彼はあえて口汚い発言を繰り返している可能性がある。戦争によって、車社会の米国ではガソリン価格が急騰。
あえて激しい発言を繰り出しているのだとしたら、それはそれでタチが悪すぎる。暴走はいつまで続くのか。
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