かつて、MEN’S CLUB編集長を務めた名物編集者・戸賀敬城。現在は、「ナノ・ユニバース メンズ・ディレクター」「ヒルトン・アンバサダー」など、名だたるブランドをコーディネートする役割を務めながら、多岐に渡ってファッションアイテムの価値を啓蒙しています。

また、そんな毎日をつづったブログ「トガブロ。」が、アパレル業界内外を問わず大きな反響を呼んでいます。

そんな戸賀さんのラグジュアリーな価値観を、一冊にまとめたムック本が先日発売されました。

トガ本。The Bag

【男の格上げ逸品バッグ】手元にないと寂しい…旅するバッグ、ルイ・ヴィトン「キーポル」

多くのファッションメディアを牽引してきた戸賀敬城がプロデュースする、ラグジュアリーブランド読本。本作がテーマとするアイテムは、「バッグ」。定番品から新作まで、大人の男を格上げするバッグを独自の目線で紹介しています。また私物コレクションも披露した、豪華な仕上がり。

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本記事では特別に、誌面で紹介している企画をチラ見せしています。

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「本当に大切なモノは、なくなって初めてわかる」…戸賀さんがそう痛感した、ルイ・ヴィトン「キーポル」の物語をお楽しみください。


いつでも手元にあったはずなのに…なくなったら寂しいキーポル

【男の格上げ逸品バッグ】手元にないと寂しい…旅するバッグ、ルイ・ヴィトン「キーポル」

初めてキーポルを買ったのは大学生のとき。渋カジ全盛期に流行ったんだ。そのころは常に持ち歩いていたけれど、大人になってからは、街中でキーポルを持たないようにしている。なぜなら、これは旅用のバッグだから。

旅行かゴルフのときに持つべきバッグなんだと敬意を払っているのだ。

モノグラム柄だったり、ダミエ柄だったり、だいたいいつも家に1個か2個はあるのだけれど、ふと気づいたらひとつもなかった。独立するとき、シンガポールのマリーナベイ・サンズで買ったダミエ・グラフィットのキーポルを、部下にあげてしまったのだった。それから1年くらい、家にキーポルがなかった。

ずっとキーポルがある生活だったからか、なくなったら意外と寂しい。バッグはいくつもあるのに、キーポルじゃなくてもいいのに、キーポルで出かけたいと思ってしまうことがしばしば。そのため、次はどのキーポルを買おうかと悩んでいたら……。なんと、キーポルに2018 FIFA ワールドカップ記念モデルがあることを偶然知った。


自分だけのトリコローレカラータグ

でも、どこの店にもない! 日本のルイ・ヴィトンの仲良しプレスに聞いても、手に入らないという。諦めかけていたのだけれど、6月にイタリアに行ったとき、ミラノのルイ・ヴィトンで発見。即買った。どうやらイタリアは、予選で負けてロシア大会に行けなかった。

だから、イタリアでは売れ残っていたのかもしれない。

ネームタグもFIFA ワールドカップ記念モデルがある。迷わずイタリア国旗のトリコローレカラーを購入した。するとネームタグに、イニシャルを入れられるという。ならばと、お馴染みの「TGC」と入れてもらうことにした。これ、「トガッチ」の略ね。

【男の格上げ逸品バッグ】手元にないと寂しい…旅するバッグ、ルイ・ヴィトン「キーポル」

何色にしようかと考えていたら、ミラノ店のスタッフが、赤白緑のトリコローレカラーはどうか? って。それはいいアイデア、と2つ返事でお願いした。出来上がりは大満足。さっそくSNSに上げたら、日本の仲良しプレスから「日本では3色のオーダーはできません」とコメントがついた。どうやらミラノ店のご厚意だったらしい。ということは、日本で3色のイニシャル入りを持ってるのって、もしかして僕だけ? うれしい!!

でも、キーポルは入っては出ていくもの。

きっと、コレもいつか誰かの手に渡るのだろう。

【男の格上げ逸品バッグ】手元にないと寂しい…旅するバッグ、ルイ・ヴィトン「キーポル」

「トガ本。 The Bag」では、このような、戸賀さんの高級バッグへの思想が読み取れます。興味を持って頂いた方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか?

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戸賀敬城オフィシャルブログ「トガブロ。」

文/ゼロヨンラボ 撮影/鈴木泰之(Studio Log) イラスト/ソリマチアキラ

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