現代科学においては、地球内部の構造は地表面での観測で得るしかない。中でも最も優れた方法は地震波の分析である。

上部マントルには、地表面からの深さ100キロ付近に、地震波が低速になる層(アセノスフェア)がある。これは部分的に溶融しているとされ、上部の相対的に冷たく硬い層とは物理的に区別される。アセノスフェアの上にあり、上部マントルの一部と地殻から成るこの層を岩石圏といい、十数枚のプレート(板)に分かれている。
地球のプレートには、大陸を含む大陸プレートと、海洋地域のみを含む海洋プレートの2種類がある。
海洋プレートは中央海嶺で造られ、マントル対流に運ばれて中央海嶺から離れる。その間にも中央海嶺では次次にプレートが造られるので、海洋底が拡大する。
大陸プレートは海洋プレートより相対的に軽いため、海洋プレートが大陸プレートとぶつかるとその境界でマントル中に沈み込み、日本海溝のような沈み込み帯を造る。
前述のように、プレートはマントル対流によって運ばれる。海溝を伴う海洋プレートはそうでないものより拡大速度が速い。
地球の中心核=コアは外核と内核に分かれる。外核の主成分は鉄とニッケルと推定されているが、水素や炭素などの軽元素を10パーセント以上含むとしなければ、地震波速度と密度の説明ができない。
内核は地球内部の冷却に伴い、外核の鉄とニッケルが析出・沈降してできたとされ、現在でも成長が続いているといわれる。ただし、内核の環境である320万気圧では金属鉄はその性質上、固相をとるためともされる。
地球中心部の圧力は約400万気圧、温度は物質組成とエネルギー輸送過程に依存するため正確には不明だが、約5000~8000度Kと推定される。
また、対流や地球自転などに起因する外核の金属流体の動きによって電流が生じ、この電流により磁場が生じると考えられている。これが地球磁場だ。このように地球の力学的な運動と結びついた磁場発生・維持機構を〝ダイナモ機構〟という。
マントルは珪酸塩鉱物であり深さ約2900キロまで存在し、地球の体積の83パーセントを占める。全体の化学組成は、必ずしも判明していない。上部マントルは、かんらん岩または仮想的岩石のパイロライトから成るとする考えが主流だが、下部マントルについては輝石に近い組成とする説もあり、定説がない。
マントルは核によって暖められ、また自らの内部にも熱源を持つ。そのため固相のマントルはゆっくり対流しながら熱を地殻に運ぶ。地殻に近い位置では対流は起こらず、地殻と一体化するような動きをしており〝プレートテクトニクス〟という水平運動を起こす。
矛盾を解消する〝空洞論〟
現代科学による大まかな地球像について簡単に解説した。だが、これだけでは理解できない現象も発生している。ある種の震動が予測通りの結果を生じないのだ。
広大な影の領域(シャドー・ゾーン)が地球の反対側に現れるが、まるで地球の中心を通る震動の経路を何かが塞いでいるように見える。また地震学者は地震活動に特有の奇妙な現象を観察している。地震のたびに震動が継続し、地殻に共鳴が起きるのだ。低周波すぎて人の耳には聞こえないが、巨大な鐘のように地球が共振するのだ。これらについて専門家は答えられない。
だが、こうした問題点は〝地球が空洞〟であると考えれば解決する。
最初に地球空洞説を唱えたのはイギリスの天文学者エドモンド・ハレー(1656~1743)。彼は地球が厚さ500マイル(約800キロ)の地殻を有し、その内部には生命が生存可能とした。19世紀に至り、同説は多くの大衆の関心を引いた。

そして、アメリカの陸軍大尉ジョン・クリーブス・シムズ(1779~1829)が、一連の考察を行った。シムズは地球が5層の同心球から構成され、直径1400マイル(約2240キロ)に及ぶ開口部が北極と南極に開いていると主張した。
さらに、アメリカの著述家マーシャル・B・ガードナー(1854~1937)が同説を取り上げ、著書で理論を展開した。それによると、地球は800マイル(約1280キロ)の厚さの球形の地層と内部空間の中心に直径600マイル(約960キロ)の太陽を有する構造となっている。内部は生物の生存が可能だという。

彼はまた、両極の開口部は氷に閉ざされているが、北極圏の先住民が本来、地球内部に住んでいたという伝説を有し、マンモスの凍った死体がロシアのシベリア地方で発見されたことなどが、空洞地球の証拠であると述べている。

今日稼働する人工衛星の画像で両極の子細を見ても、開口部の明確な確認はできていない。しかしながら、地球内部へ旅したという人々は少なくないのだ。

(ムー2019年2月号 総力特集より抜粋)
文=ToM
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