1952年6月、メキシコ国立大学マヤ研究センターの調査チームが、チアパス州にあるパレンケ遺跡の碑銘の神殿地下から石棺を発掘した。中には男性の遺体が収められていた。

問題は石棺の蓋にあった。一枚岩で長さ3.7メートル、幅2.1メートルというこの蓋には、不可思議なレリーフが描かれていたのである。
図柄の主人公はマヤの神聖文字で縁取られ、複雑な模様が描かれた中央あたりに配された、奇妙な頭飾りをつけた男性だ。これは王が昇天する際の儀式を描いたものだという。すなわち石棺は王が昇天するための乗り物であり、レリーフはそれを操縦して出発する王の姿ということになる。

だが、人物は体を丸めた着座姿勢をとっており、宇宙飛行士が大気圏を脱するときにかかる重力に耐えるためにとる姿勢に見えるのだ。しかも乗り物の後部にはエンジンや排気筒に似た装置があり、最後尾からは炎を噴射しているかのようである。
つまり、これは単に儀式や死者の埋葬を象徴化したものとは考えにくく、何らかの飛行機械に搭乗したパイロットにしか見えないのである。
スイスの宇宙考古学者エーリッヒ・フォン・デニケンは、この図柄について「この人物はロケットに乗った宇宙飛行士だ」と述べて、レリーフを世界的に有名なものにした。
定説では、古代マヤ文明に乗り物を製造できる技術は存在していなかった。ましてやロケットなど、あるはずもない。だが、蓋の図柄はマヤの人々が、宇宙を駆けめぐっていたのではないかと想像させずにはおかないのだ。

(『決定版 超古代文明の遺産 オーパーツ図鑑』より抜粋)
文=並木伸一郎
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