
発端となったのはフランスのFC「パリ・サンジェルマン」とEDIFICEによる、2014年のカプセルコレクション。その後も3度のコラボを経て、昨年には原宿のEDIFICE TOKYO内にオフィシャルストア<PARIS SAINT-GERMAIN STORE TOKYO>がオープン。
そんな<PARIS SAINT-GERMAIN STORE TOKYO>が、“令和”の節目を迎える今年はさらに面白い展開を見せてくれるそう。ファッショニスタもサッカーファンも、今こそその魅力を確かめておきましょう。事業部担当の佐々木 大地さんをお迎えして、パリ・サンジェルマンのファッション的な魅力、アイテムの着こなし方まで、幅広くお話してもらいました。

佐々木 大地さん
〈パリ・サンジェルマン トウキョウ〉事業部担当。「実はサッカー経験はないのですが、バイヤーとしてフランスに何度も通ううちにパリ・サンジェルマンのファンに。今では試合のチェックが欠かせません」
「パリ・サンジェルマン」はファッション的にも最先端
昨年行ったEDIFICEとパリ・サンジェルマンのコラボレーションについては以前の取材で伺いましたが、それから<PARIS SAINT-GERMAIN STORE TOKYO>としてオフィシャルストアを立ち上げるまでに規模が大きくなったのは、何かきっかけがあったんでしょうか?
パリ・サンジェルマンが今まで以上にファッション業界に興味を示してくれるようになって、いろいろなことを仕掛けようとしているんです。これもその一環ですね。

以前からファッション的な感度が高いチームだったと聞いていますが、どういった点に関心の高まりを感じられましたか?
5年ほど前からパリの有名なセレクトショップ『Colette』でユニフォームの発表会を行い始めて、最近では〈A Bathing Ape(ア ベイシング エイプ)〉といったストリートブランドや、〈MANISH ARORA(マニッシュ・アローラ)〉、〈KOCHÉ(コシェ)〉などのランウェイブランドとも積極的にコラボしていて。あとは、ファッションとスポーツカルチャーの垣根が世界的に薄くなっていることもその追い風になっていると思います。
ファッション業界の流れを受けて、大胆なコラボを展開するようになったんですね。
そうですね。

そのダブルネームは確かに歴史的ですね。公式アイテムを街着として着ている方も増えてきているのでしょうか?
ここ最近ではメジャーな着こなしになってきていますね。特にジョーダンコラボは街着として取り入れている方も多く、やはりバスケのユニフォーム感覚でダボっと着こなしていましたね。
サッカー小僧からファッショニスタまで虜に
店内を拝見しましたが、ユニフォームやサッカーボールといった定番から、カジュアルに着やすいシャツやパンツまで幅広いアイテムが並んでいますね。
そうですね。本国のオフィシャルショップで扱われている商品や、〈ナイキ〉とのコラボアイテム、EDIFICEが企画している〈PARIS SAINT-GERMAIN TOKYO〉のものを中心に揃えています。

やはり来年の東京オリンピックも見据えているのでしょうか?
そうですね。だから、〈PARIS SAINT-GERMAIN TOKYO〉では「スポーツ観戦用のウェア」をコンセプトに掲げています。スポーツをプレイするための服を作っているブランドは他にもたくさんありますが、観る側も楽しめる服を手がけているブランドはなかなかないと思うので。
「スポーツ観戦用のウェア」というのは、スポーツウェアとどのような違いがあるのでしょうか?
オーバースペックな機能を設けるというよりは、雨をしのげるような簡単な撥水性だったりとか、多機能ポケットがついていたり、そういった最低限必要なスペック。

パリ・サンジェルマンのエンブレム
街着としての機能性とチームのキャラクターを落とし込むようなイメージですね。特にどのような層に反響がありますか?
今までは20代後半から30代後半くらいまでの方に人気だったのですが、オフィシャルショップという形でオープンしてからは、中学生やその親御さんで50代くらいの方もお店にいらっしゃるようになりましたね。
EDIFICEで買い物をしない人たちも、パリ・サンジェルマンを目当てにこられるようになったのですね。
そうですね。あとは、ユニフォームを着たクマのぬいぐるみはネイマールのファンやパリ・サンジェルマン好きの恋人がいるような女性が買っていただいたりと、他のスポーツショップにはあまり並ばないようなアイテムも好評をいただいています。

ぬいぐるみ ¥3,000- +tax
セレクトショップのワンフロアを使っているからこそ、ここまで広がりのある世界観を見せられるのですね。お店の内装で特に力を入れている部分はありますか?
モニターで流れている映像ですね。これは“週刊パリ・サンジェルマン“のようなもので、一週間に一回本国から送られてくるんです。翻訳もされていないそのままの映像を流しているのですが、それが逆に現地のリアルな空気感を与えてくれていると思いますね。

捻りの効いたオリジナルアイテムに注目
〈PARIS SAINT-GERMAIN TOKYO〉のアイテムはEDIFICEが企画しているとのことですが、デザインで意識した部分はありますか?
日本も5月1日から元号が令話に変わる節目で、フランスでは日本の食やファッションなどが「ジャポニズム」としてブームになっていて。そういったタイミングですから「REIWA JAPNOSIM」というテーマで、日本らしさを前面に押し出しています。
日本的な要素を多く取り入れているのですね。その中からイチオシのアイテムを教えてください!
まずはこちらのシャツですね。日本のトラディショナルなアイテムであるアロハシャツをアレンジしていて、パリ・サンジェルマンのスタジアムや選手を柄に採用しています。

ALOHA SHIRT ¥14,000+tax
あとは、横須賀をルーツにしているスカジャンやスカシャツをベースにしたこちら。「巴里」と「東京」という文字の刺繍をワンポイントにあしらいました。実はパリ・サンジェルマンにはヤマネコのマスコットキャラクターがいるのですが、それを虎に見立てて刺繍を入れています。

SUKA SHIRT ¥28,000+tax
ファンならグッときてしまうような遊び心が随所に取り入れられているのですね。シャツ以外だとどのようなものがあるのでしょう?
こちらのTシャツもおすすめですね。スケーターでグラフィックアーティストの山木 真(やまき まこと)さんに依頼して、パリサンジェルマンのエンブレムを切手をモチーフにして描いていただきました。他にも、ダルマをテーマに描いていただいたバージョンもあります。


YANAKI GRAPHIC T-SH ¥8,000+tax
ストリートテイストと和の要素がミックスされていてインパクトがありますね。
そうですね。
小物はどのようなものがありますか?
まずはこの温泉下駄ですね。大分の日田という地域は温泉下駄の名所として知られているのですが、今回はそこの工房とコラボしました。ポイントは鼻緒の柄で、日本の伝統的な「網目柄」と呼ばれるものをゴールネットに見立ててアレンジしています。

GETA ¥10,000+tax
あとはエンブレムが入ったビーチバッグ。サイズ感もちょうどよく、普段使いするにもちょうど良いと思いますね。

バッグ ¥16,000+tax
どちらもリゾート感が漂っていて、これからの時期に活躍してくれそうですね。
GWには今回紹介した「REIWA JAPNOSIM」コレクション以外にも、Tシャツや夏物の商材をどんどん展開していくので、楽しみにしてください。
あと、〈PARIS SAINT-GERMAIN TOKYO〉とはまた違いますが、パリサンジェルマンのヴィンテージユニフォームのコーナーも用意しています。’90年代から’00年代のものを中心に、現地でもなかなか手に入りにくいものまで集めていますね。近年では’90年代のファッションやスポーツを取り入れたファッションが注目されているので、古いユニフォームを街で着てもいいのではないと思います。


佐々木さんが被っているキャップも’93年製のデッドストック。
パリ・サンジェルマンはこう着こなす!
〈PARIS SAINT-GERMAIN TOKYO〉の魅力が分かったところで、最後は実践編。アイテムを使ったおすすめのコーディネートを佐々木さんに教えてもらいました。

SHIRT ALOHA SHIRT ¥14000+tax
PANT HIP LOGO PRINT PANTS ¥14,000+tax
「スポーツブランドのアイテムを使いつつも、スポーティになりすぎないことを意識しました。パンツは軽いスウェット素材で、それにリゾートチックな印象のあるアロハシャツを合わせて、タックインしてすっきりと見せています」

カラーはシックなモノトーンで統一。実はこれもEDIFICEのテーマである“フレンチシック”を意識したものなのだとか「パリサンジェルマンのチームカラーはネイビーですし、そもそもフランス人は黒や紺といったトラディショナルなカラーを好む傾向があるんです。なので、現地ファンがリアルに身につけているようなカラーパレットに近づけてみました」
また、2020年はパリ・サンジェルマンのクラブ創立から50年、ナイキのパートナーシップ締結から30年の節目。そんな記念すべき年に向けて、本国ではスーパーコラボの準備も進んでいるとのこと。パリ・サンジェルマンの動向からまだまだ目が離せません。
PARIS SAINT-GERMAIN STORE TOKYO
Address:東京都渋谷区神宮前6丁目23−3
Open: 11:30~21:00
Tel: 03-3400-2931