
ニットベスト vs 布帛のベスト
「袖なくネ?」。ベストというアイテムに興味を持たない人の口から放たれる、頻出フレーズ第一位(筆者調べ)。
ただ逆に言えば、“必要不可欠なアイテムではない”からこそ、“オシャレ感が際立つ”のがベストの魅力ではないかと思うわけです。前述の「防寒性を追求し過ぎない」アイテム特性は、気温が定まらない季節の変わり目には、むしろメリットとも捉えられる。
というわけで、第2回目を迎えた「今週のどっち?」はベスト対決。そもそも、色々な種類やデザインがあるベストですが、今回は生地に絞って比べてみました。ニット(編物)か布帛(織物)か、それが問題。当然それぞれ見え方も違う。今秋のベストを狙っている方はぜひご一読を。
「脱学生」。ゆったりインナーとも好相性のニットベスト

ニットベストというと、どうしても「学生のイメージと重なってしまう」という方も多いはず。例えば、Vネックのウールのベストなどは、そもそものアイテムとしてはトラッド的なのですが、どうしても“制服感”が出てしまったりするものです。
そんなニットベストを現代的に料理したのは〈curly〉。
そもそも、国内有数の老舗カットソーファクトリーを母体にする同ブランド。生地も一筋縄では行きません。カットソー生地とは思えない、ずっしりとした量感が特徴です。ウールではなく、コットンなので通年で使いやすいのもいい。

提案してくれた「LICLE」の鶴田氏の着用がこちら。ゆるっとしたインナーのシャツにも違和感なくマッチしています。実は、インナーがもたつかないよう袖口、裾などは少し大きめにデザイン。締め付けを軽減するスリット仕様の裾になっているのもポイントです。
「トップスにはやや大きめのサイズを選ぶ」という方には、ぜひ試してほしいシルエットです。実際、「2色買いする方もいらっしゃるくらい、使い勝手がいい」と語る同氏。
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気取りがないのに、大人っぽいリネンのベスト

着慣れない人にとっては、「ちょっとした気恥ずかしさが出てしまう」のもベストというアイテムの独特なところ。そんな方はシンプルかつ大人っぽさのある一着を選びたい。布帛のベストとして、その筆頭に挙がるのは〈nestRobe CONFECT〉のクルーネックベストです。
大人っぽさを演出するのは、同店十八番ともいえるリネン素材の生地と深みのある色味。岡山の染工所に同店がオリジナルでオーダーした色味は、落ち着いた印象を醸すだけでなく、ゆっくりと経年変化をしていく点も特徴です。
ニットベストに続き、こちらも首元はクルーネック。前開きのVネックに比べ、ほどよくカジュアルな雰囲気で使いやすいのが特徴です。提案スタッフ曰く、「シャツはもちろん、Tシャツなど様々なトップスと合わせやすい」とのこと。

同店のスタッフ氏のコーディネートで秀逸なのは、同系色のインナーを合わせているところ。“ベストを着てます感”が軽減される、さりげなさが洒落てます。ややゆったりとしたシルエットも今っぽい。
一点、前開きという点以外でも、ニットベストと違うのは収納力。ウエストにはパッチポケットがあるだけでなく、左右の腰辺りに内ポケットも配備。着用画像のように、第3ボタンを開けておけば、そのまま内ポケットにアクセスできます。大人っぽさだけでなく、収納力でこちらを選ぶのもあり。
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今の時期ではすぐ使える一枚着として。寒くなったら、ジャケットやコートのインナーとして変化をつけてくれるのがベストです。これまで手に取ってこなかった方もぜひご検討を。</
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