男のスニーカー選びに足りないのは女性目線?
純粋な自分の好みと少しの打算。何のこっちゃと思われた方、スニーカー選びの話です。
どちらにせよ、自分が選んだ一足が、女性目線ではどう映っているのか、気になる方は多いのでは? とはいえ、日常生活の中では、なかなか面と向かって聞きにくい。
ということで、メンズスニーカーに対する生の女性の意見を、編集部が聞いてきました。実際にインタビューを敢行したのは、当FACY編集部を運営するスタイラー株式会社の女性社員3名。
サンプルとして用意したのは、現代的な感性を武器に、これまでにない新しいスニーカーを東京から発信せんとする〈SLACK FOOTWEAR〉。早速、その座談会の様子をお届けします。

FACYメンズ編集部、写真左から:ゆうや、おすぎ、おしゅん

スニーカー自体の女子受けはいい
ゆうや:さて、弊社の女性社員3名に集まっていただきました。しかし、僕ら編集部もメンズ3人なので、合コン感がすごいですね。(笑)
おしゅん:確かに。長テーブルに向かい合っちゃってますしね。(笑)ところで、いきなりですが、合コンって白Tで行きます?もしあったとして。
おすぎ:僕は行きますよ。
おしゅん:女性的にはどうなんですか?
女性一同:全然ありですよ。

写真左から:Kさん、Aさん、Rさん
おしゅん:そうなんですね。男性側としては、白Tって普段着の感覚。よそ行きみたいな感じではなかったので意外です。他にもそういう男女間のギャップってあるんじゃないかな。
おすぎ:男女間のギャップか…。ぜひ聞いてみたいですね。
おしゅん:男性的にはこれがいいと思っているけど、女性側から見たらそんなことないみたいな。スニーカーをベースに聞いていければと。
おすぎ:そもそも、スニーカーと革靴の捉え方の違いってあるんですかね?デートの時は革靴の方がいい、逆にスニーカーのほうがいい、とかってありますか?

女性R(以下、R):とりあえず、休日はスニーカーのほうが嬉しいですね。
女性K(以下、K):場所にもよると思います。
おしゅん:確かに。
女性A(以下、A):遊園地に革靴はないでしょ…。
男性一同:…!!
おしゅん:そうなんですか?「わざわざ革靴履いてきてくれた(ハート)」、みたいなのはあったりしません?
女性一同:ない!全くないです!
K:そんなにかしこまらなくていいのにって。変に気を遣っちゃいます。(笑)
男の足元なんか見ていない?
ゆうや:そうなんですね。つまり、よっぽどいいレストランに行くとか以外は、基本的にスニーカーでいいと。そもそも男性の足元って見てます?
K:足元単体では見てないかな。
R:ネガティブなところがあると見ちゃうかも。逆に、全体がおしゃれなら、わざわざ足元だけ注目しておしゃれとは思わないかな。
おしゅん:ネガティブなところというと?
R:例えば、めっちゃ靴が汚いとかは見ちゃいますね。

ゆうやの靴
ゆうや:(…)
おしゅん:(あ、ゆうやさんだ…)それは確かに見てしまいますねぇ。他に身近な例で、ちょっとがっかりしたみたいな経験ってあります?
K:うーん、あんまり見てないから、出てこない…。
おすぎ:そもそも見てないんですね。 これ、男にとってはダサいって言われるより、ある意味きついですよ(笑)
K:あ、ちょっと前ですが、わりとちゃんとしたデートだったのに、相手がスポンジボブみたいな靴下を履いてきた時がありました! あれは嫌だったな…。
おすぎ:スポンジボブみたいな靴下って何ですか?
K:あ、ロングソックスってことです。スポンジボブの柄のソックスではないです、さすがに(笑)

R:確かに短パンにロングソックスは嫌かも。デートのときは特に。普通のパンツがいいですね。
A:わたしはショーツにロングソックスでも、うまく取り入れていたらいいと思いますけどね。似合っていればいいと思う。
K:友達だったらいいけど、彼氏はね…。一緒に歩きたくはないかな。
おしゅん:そこの境界線はあるんですね! 彼氏には多少求めるものが違ってくると。
おすぎ:なるほど。

「白か黒を選んでおけば間違いない」はファンタジー?
おしゅん:では、スニーカーについて聞いていきましょう。メンズとしては、異性を意識した時、よく女子受けという言葉を使うんですけど、スニーカーの条件としては白と黒が無難とされているんですが、どうですか?
ゆうや:それでいうと、僕の奥さんはよく柄物とか色物を薦めてくるんですよ。男女差ってあるんだなと。自分で選ぶものとは全く違う。
A:全体的なコーディネートによると思いますけどね。普段シンプルな服装をする人は、スニーカーで柄物とか色物を入れていると、個人的にはかわいいかなって思います。
おすぎ:ワンポイントならいいということ?
A:そうですね。全体の中でポイントになっているならいいかな。
おすぎ:じゃあ、別に必ずしもスニーカーは白黒縛りでなくてもいいと。

女性一同:はい。
ゆうや:全体を見た時に、足元だけ浮いてなければいいと。
A:邪魔してなければいいんですよ。
おしゅん:じゃあこういうの、どうでしょう。

ENWRAP(SLACK FOOTWEAR)
アッパーの甲部分を1枚革で袋状に覆った、ユニークなデザインの一足。素朴な素材感と1枚革ならではのソフトな履き心地が特徴です。トゥキャップは縫い目を見せないように内部にステッチを施したり、細かいディテールも手が込んでいる。
デザイン性のある一足をワンポイントに
女性一同:おおー。かわいい!
K:なんかあんまり見ない感じですね。
A:遊び心がある感じがいい。
R:紐のところがかわいい。
ゆうや:これ、アッパーが切られていなくて、全部つながっているんですよ。

K:スラックスはちょっとやり過ぎじゃないですか?
A:ですね。シンプルにジーンズがいいと思います。
おすぎ:なんでですか?
A:うーん。
K:今彼氏が履いているのを想像してみたんですけど、男の人にはちょっとかわいすぎちゃうかも。
おしゅん:とりあえず、ゆうやさん履いてみますか?

女性一同:あ、かわいい。
K:思っていたよりいいですね。
ゆうや:えーっと…ほめられ慣れてないので、返しが思いつかないです(笑)
おしゅん:今日履いていたやつより、好きですよ。
ゆうや:それは逆にバカにしてません?(笑)
R:今日のパンツの色とも合ってますね。
ゆうや:実際履いてみると、履き心地もいいですね。ベロが途切れてないので甲に当たるかなって思っていたんですけど、当たらないです。
おすぎ:おお、メリットはルックスだけじゃないと。
女子は「有名ブランド」じゃなくていい
おしゅん:ガラッと話が変わりますが、「このブランドを履いている男は嫌いとか、好きとか」ってありますか?
R:いわゆるスポーツブランドに関しては、好き嫌いはあまりないかも。わたしは他とワンポイントだけ違うみたいなのが好きですね。なので、「このスポーツブランド大好きです!」っていう過剰なのはちょっと…。
A:わかります! 今日もまたそれ?みたいなのはあるかも。ブランド好きなのはいいんですけど、そればっかりだとね。
K:逆にこだわりがないのかなって思っちゃう。「こいつ、引き出しないな」みたいな。

おしゅん:かなり厳しい意見ですね(笑)
ゆうや:女性で言えば、ラグジュアリーブランドのバッグ持っておけばいいみたいな?
女性一同:(笑)
R:知らないブランドのほうが興味は湧きますよね。知らないブランドだけど、ちょっと高級感があったりすると、おしゃれだなって思います。
ゆうや:メジャー過ぎず、なおかつ安っぽく見えないってことが大事なんですかね?
R:そうですね。大事だと思います。
ゆうや:あとは素材ってどうですか?キャンバスよりレザーのほうがいいとか。
R:さすがに素材までは意識したことはないです。レザーでもキャンバスでもどっちでも。それこそ、それって男性特有の視点のような気が。
ゆうや:なるほど。確かに、よほどのスニーカー好きでもない限り、「その靴、何の素材?」とはならないか(笑)
おしゅん:スポーツブランドではない有名ブランドはどうですか?いわゆる定番のキャンバスシューズ的なのを毎日履いているとか。
K:わたしは単純に若いなーと思っちゃいます(笑)
R:別に嫌いじゃないですけどね。ただ、本当におしゃれな人にはこっちが知らないブランドを履いていてほしいってのはあるかも。
K:「あ、この人ちょっと違うんだな」ってことだよね。
R:そうそう。みんなが知らないことを知っているんだなって。
A:ちょっとした上級者みたいな感じは出ますよね。
ゆうや:そうなんですね。では、こんな一足はどうでしょう?

LIBERIO(SLACK FOOTWEAR)
シューレースのホール部分をシャットアウトした比翼仕立てのスニーカー。シューレースが前面に見えないことで、どこかモードな雰囲気も漂う一足。シュータンにはエラスティックを配置しているので、シューレースを取った着用も可能。
「ちょっと違う感じが上級者」な一足
K:これいい!
R:確かにかっこいいですね。
おしゅん:デザインの特徴がここです(シューホールを隠す外羽根部分を指差して)。逆に、この部分が目立っちゃってるってことはないですか?

A:それはないですね。おしゃれだと思います。
おしゅん:ちなみに紐なしでもいけるんですよ。
R:紐なしでもよさそう。
おしゅん:今日のコーディネート的に、おすぎさん履いてみてくださいよ。

A:いい。似合うじゃないですか。
K:一気に大人な感じですね。さっき履いていたやつよりいいですよ(笑)
R:嫌味にならない範囲で、ちょっと違う、って感じが好みです。どこのブランド?っていう興味が湧きますね。調べてみたら、「あっ、けっこうおしゃれな人が履いているんだ」って。
おすぎ:えっ、調べるんですか?
R:積極的に調べはしないですけど、たまたま見かけたら検索しちゃうかも。
ゆうや:Rさんみたいな人は、男のつけてる時計の値段も調べるタイプです(笑)

編集後記 by おすぎ
「そもそも男の足元なんて見ていない」という残酷な現実を突きつけられたインタビュー序盤は、編集部一同どうなることかと思いました。ただ、ほどよくデザインで遊んだ一足や、必ずしも知名度が高くないブランドの一足が、女性目線としては、意外と高評価だったりすることを知れたのは大きな収穫。これを機に、私(未婚)の今後のスニーカー選びもちょっと変わりそうな予感。