5月初旬、フリマサイトを見ていると、お昼過ぎから男性アーチストのコンサートチケット応募券が次々に出品された。平均価格帯は800円。
調べてみるとその日に新作アルバムが発売されており、優先的にコンサートチケットを申し込めるチケットだった。これはアルバムという不特定多数が購入できるものだから売買しても問題ない(さらに抽選なので、買ったから見られるというものでもない)。
昨今フリマサイトでの「匿名希望のダフ屋行為」のために、コンサートには身分証明書持参が多くなっている。

その他の写真:韓国イメージ

 さて。学園祭の女王という昭和ならではの言葉をご存じか。その頃は、基本主催する大学の学生が見ることに重きが置かれていた。しかし、令和の今、「彼女が出るなら」「彼が出るなら」で、学生でない者の入場希望も多い。なんとか伝を得て入り込むヤカラも多いので、主催者は「学生証」定時で入場制限をかけている。K-POPの人気グループを輩出している韓国ではなおさらのことだ。

 「学生証を14万ウォンで譲渡します」などSNSに「売買」を持ちかける書き込みが多い。学歴社会の韓国で学生証を一時でも売るとしたら、日本円にして1万4000円は安すぎる。その他にも、女子学生用のリストバンドをつけたり、学籍情報システムにログインできるのでバレない、入場できないときは4000円お返ししますなどなど、学生ゆえの知恵が並んでいる。


 公式のコンサートなどより、学生証を買った方が安く見ることができる。また会場も学内なので、コンサート会場よりも間近に見ることができる。

 ただこれは、業務妨害という立派な犯罪だと韓国の法的関係者は危険性を提示している。

 見たい気持ちはわかる。見たくないから学生証を売って、後日再発行してもらえばいいや的な錬金術もわからないでもない。でも、そうしたら、学園祭そのものがもう無用な時代になっていることの証明にはならないだろうか。
【編集:fa】
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