【その他の写真:国旗は街の至る所に掲げられています。フィリピンの国旗は、独立への戦いの象徴として誕生しました。そのデザインには歴史・理想・願いが込められており、非常に深い意味を持っています。】
レガスピ(Miguel López de Legazpi)がセブ島に初めてスペインの植民地政府を設立して333年続いた植民地支配ですが、米西戦争でアメリカがマニラ湾でスペイン艦隊を破りカビテ州カウィット(Cavite, Kawit)のアギナルド邸宅で独立宣言がされました。
スペイン統治時代にはカトリックの布教、教育制度の 整備、フィリピンの名前の由来(スペイン皇太子フェリペにちなむ)などが行われました。今でも国民の殆どがカトリックです。一方で、経済的搾取や民族差別、自由の抑圧もあり、やがて19世紀には独立運動が高まっていきました。
フィリピンの人々にとって、6月12日の独立記念日(Araw ng Kalayaan)はとても誇り高く、感情的な意味を持つ日です。私が住んでいるオサミス市のような地方都市でも、町じゅうに国旗が掲げられる光景が見られます。それは単なる儀式ではなく、国民の愛国心や歴史への敬意を示しているからです。
町中を走っている車やトライシクル、オートバイまでもが国旗を付けて走っています。なんと6月12日に国旗を付けずに運転すると警察官のチェックが入り罰金として100ペソ(約300円)を収める必要があるそうです。
【執筆:オサミス市在住16年目・上野浩一】