2025年6月16日午後、成田空港第2ターミナルの車寄せ、一番外側のレーンには多くのワゴン車が停車していた。千葉県警のパトカーがスピーカーを使い注意喚起するが無視するワゴン車がほとんどだ。


その他の写真:2025年6月16日14時ごろ、成田空港で撮影

 警察が対応追われる実態、インバウンドの「負の側面」露呈

 国際線利用客の増加が続く成田空港で、中国からの訪問客らを対象とした緑ナンバーのワゴン車による違法な客待ち行為が横行し、警察当局が対応に苦慮している。駐車禁止区域での常態化した客待ちや、旅行客への声かけなどが目立ち、日本の「玄関」の秩序を乱す看過できない問題として、インバウンド政策の負の側面を浮き彫りにしているのだ。

 成田空港の国際線到着ロビー周辺や車寄せでは、頻繁に緑ナンバーの大型ワゴン車が駐車禁止の場所に停車し、旅行客の到着を待つ姿が見られる。これらの車両の多くは、中国の配車アプリなどを通じて予約を受け、中国人旅行客らを直接ピックアップしているとみられている。中には、運転手が車を離れてロビー内で客を物色したり、荷物を運ぶ客に声をかけたりするケースも散見され、正規のタクシー乗り場やバス乗り場の秩序を乱している。

 空港関係者によると、こうした車両は、近年急増する中国人観光客の旺盛な移動ニーズを背景に、SNSなどを通じて個人間で手配されるケースが多いといいます。正規のハイヤーやバスに比べ安価な料金設定や、複数人での移動の利便性が利用者にとって魅力となっているとみられるが、その営業実態は不透明だ。
【編集:NH】
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