2025年6月、ダバオ市内の通りを歩けば、至る所で見かけるサリサリストア。この小さな小売店は、地域住民の生活に深く根ざし、まさに地域のライフラインと言える存在です。
彼らが日々、どのように店を切り盛りしているのか、その実情を探ってみましょう。

その他の写真:2025年6月22日ダバオ市maaで撮影

 1日の売上と厳しい利益率

 多くのサリサリストアにとって、1日の売上は平均して約2,000フィリピンペソ(PHP)というのが現実です。一見するとそれなりの金額に見えますが、ここからが店主たちの腕の見せ所です。

 商品を仕入れるための費用はもちろんのこと、電気代や簡単な日用品などの小経費を差し引くと、残る純利益はわずか約5%、金額にして約100ペソというのが一般的な水準です。これは、店主が家族を養うために、いかに少ない利益でやりくりしているかを示しています。

 欠かせない売れ筋商品

 限られたスペースの中で、効率的に利益を上げるためには、需要の高い商品を揃えることが不可欠です。ダバオのサリサリストアで特に売れ筋となっているのは、以下の商品です。

たばこ: バラ売りもされるたばこは、多くの住民にとって日常的に購入される商品です。

玉子: 食卓に欠かせない玉子は、手軽に購入できる食材として常に需要があります。

野菜: 地域住民の食生活を支える新鮮な野菜も、日々の食料品として人気です。

冷凍の豚肉や鶏肉: 大量購入ではなく、必要な分だけを少量ずつ購入する人が多いため、冷凍肉も売上を支える重要なアイテムとなっています。

 地域に根ざした役割

 サリサリストアは単なる商店以上の存在です。
クレジットカードや電子マネーが普及していない地域では、現金での少額決済が可能なサリサリストアが不可欠です。また、ご近所とのちょっとしたおしゃべりの場になったり、地域の情報交換のハブになったりと、コミュニティの中心的な役割も果たしています。

 ダバオのサリサリストアの店主たちは、決して楽ではない状況の中で、地域住民の生活を支え、日々の生計を立てるために奮闘しています。彼らの存在が、ダバオの街の活気とコミュニティの温かさを生み出しているのです。
【編集:Eula Casinillo】
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