2025年7月1日、フリーライター&フォトグラファーの白石あづさ氏が執筆した『中央アジア紀行 ぐるり5か国60日』が辰巳出版から発刊された。

その他の写真:『中央アジア紀行 ぐるり5か国60日』発売日:2025年7月1日発売,出版社:辰巳出版,著者:白石あづさ,体裁:A5・208ページ(オールカラー),https://amzn.asia/d/bknnlMK

 中央アジアとは、ロシアの南、中国の西にあるカザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、キルギスのこと。
文字通りアジアのど真ん中に位置する国々だが日本ではまだあまり知られていない。全5か国を2か月かけてまわり本書を出版した白石氏に中央アジアの印象を聞いた。

――中央アジアはどんなところでしたか?

 行く前は、5か国どこも「草原と砂漠とラクダ」といった牧歌的なイメージがあったのですが、ゆっくり回ってみると国や都市によってさまざまで、だいぶ印象が変わりました。

 奇妙なビルが乱立し日本よりもデジタル化が進んでいる国もあり、キオスクで紙幣を出したら「うちの国のお金を見たのは2、3年ぶりだ」と困った顔をされたこともありました。それと、おじいさん、おばあさんでも、グーグル翻訳アプリを使いこなしていて、バスの中などで隣の人に「いくら稼いでるの?」「お前の車はトヨタ?」とか年収や車種を日本語で聞かれたりして驚きました。

――意外ですね。5カ国それぞれの見どころは?

 青いモスクが建ち並ぶウズベキスタンは日本の女性に今大人気ですが、そのほかの中央アジアの国々はあまり知られていませんが、どの国も絶景の宝庫でした。

 例えば、『中央アジアの北朝鮮』と呼ばれるトルクメニスタンでは砂漠で燃え続ける巨大な穴『地獄の門』、カザフスタンにはウユニ塩湖に劣らぬ古代テチス海が生んだ『白い絶景』など、スケールの大きいものがたくさん見られました。

――燃える穴や塩湖もあるんですか。おもしろそうですね。

 ええ。そして砂漠や草原だけではなく、キルギスは国のほとんどが山岳地帯で、温泉も多く帰還後のガガーリンも療養していたサナトリウムなども残っています。
雪山に囲まれた標高約3500mの高山湖、アラクル湖(キルギス)まで馬で登ったのですが美しかったですね。
同じく山がちなタジキスタンでは、かつてシルクロードを支配したソグド人(胡人)の末裔が隠れ暮らしてきた秘境「ヤグノブ谷」を訪れました。あまり知られていませんが日本の「胡瓜(きゅうり)」「胡坐(あぐら)」などは胡人にゆかりがあるそうです。

――今回の本にはそんな話が出てくるんですね?

 はい。旅行記ではあるのですが、あまり日本では知られていない国々なので、カラー写真を650枚以上、掲載して紹介しました。またガイドブックに取り上げられていない地域も多いので皆さんができるだけ現地で使えるよう、良かった店やホテルも取り上げています。絶景も良かったのですが、一番の魅力は各地で出会った面白過ぎる人々でした。ぜひ読んで興味を持っていただけたら嬉しいです。

――ありがとうございました。

 本書には人気の都市から秘境まで、息をのむような美しい風景と、そこに暮らす人々のありのままの姿が、著者ならではの研ぎ澄まされた感性で写し出されている。単なる観光地巡りではない、中央アジアのディープな魅力が凝縮された一冊だ。

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タイトル:『中央アジア紀行 ぐるり5か国60日』
発売日:2025年7月1日発売
出版社:辰巳出版
著者:白石あづさ
体裁:A5・208ページ(オールカラー)
https://amzn.asia/d/bknnlMK
【編集:MS】
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