2025年8月8日、タイ・パタヤにて、アジアクロスカントリーラリー2025(8月8日から16日まで)が開幕。参加国12か国、90数チームが参戦する。
8日に盛大なスタートセレモニーが行われ、9日に正式にスタートした。

その他の写真:AXCR2025レーセレモニー会場

 今回で30周年を迎えるアジアクロスカントリーラリー(通称AXCR)は、当初、ラリーコースにカンボジアセクターが含まれていた。しかし5月にタイとカンボジア間で、国境地域を巡る両国の軍事衝突(現在は停戦の合意が継続される)が発生したことで、タイ国内だけの新コースに変更され、昨年の約2500kmを大きく上回る約3250kmのコースを走ることになった。

 主催は国際自動車連盟(FIA)、タイ王立自動車協会(RAAT)、カンボジアモータースポーツ連盟(CMSF)、一般社団法人モーターサイクルスポーツクラブ306度協会の4団体で行われる。

 この大会は1996年から始まり、FIA(国際自動車連盟)やFIM(国際モーターサイクリズム連盟)公認のラリーレイドとして、東南アジア地域を舞台にタイやラオス、カンボジアといった国々の山岳地帯や密林、川渡り、泥道などをラリーカーで走破する過酷なレースとして知られている。また、SUVやピックアップトラックなどの耐久性と走破性が求められる車両が中心で、耐久性や走破性能がいい日本車や日本チームの活躍が注目され、2012年からは二輪部門が加わり、プロとアマチュアが一緒に競い合える場としても人気が高く魅力のあるラリー。

 今年のAXCRで特に期待されているのは、ガレージモンチ(三重県四日市市)と技術パートナーの桃伎舎株式会社(東京都武蔵野市)チームだ。

 ガレージモンチは自動車修理工場で、車の修理、メンテナンス、カスタムだけでなく、競技車両の製作も手がけ、特にオフロード車の知識と技術に定評がある。技術パートナーである桃伎舎株式会社は2021年に設立されたエンジニアリング会社で、自動車や航空機の開発・設計などの技術者派遣や受託開発を通じて、日本のものづくりを支える若い会社だ。

 この異彩のチームにタイムアタックと今季屈指の好成績に期待が寄せられている。AXCR開催に伴い、タイとカンボジア間で、国境地域を巡る両国の軍事衝突によるコース変更やカンボジア、ベトナムが国境渡れず不参加などあったが、参加者のみならず観客にとっても30周年に相応しいアジアクロスカントリーラリーとなることを期待したい。

走行距離 3,247.72km
LEG-1 パタヤからプラチンブリー(8月9日)
LEG-2 プラチンブリーからカオヤイ(8月10日)
LEG-3 カオヤイ(8月11日)
LEG-4 カオヤイからプラチンブリー(8月12日)
LEG-5 プラチンブリー(8月13日)
LEG-6 プラチンブリー(8月14日)
LEG-7 プラチンブリー~パタヤ(8月15日)
LEG-8 パタヤ・セレモニアルフィニッシュ、賞品授与パーティー(8月16日)
【編集:安麻比呂、DAI GOTO、写真 HIROMA MATSUMOTO】
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