【その他の写真:フィリピン警察】
複数の情報筋によると、この犯行には少なくとも10人のメンバーが関与し、それぞれに「計画のまとめ役」や「下見役」「見張り役」といった役割が与えられていた。
殺害の成功報酬として予定されていた額は、日本円で約2300万円(900万ペソ)に上るといわれる。一方で、実行犯に支払われた着手金はわずか約2万6000円(1万ペソ)とされ、フィリピンでの殺人依頼の相場とされる7万~8万円(最低価格)を大きく下回った。
フィリピンは裏社会の関係者が比較的容易に入国でき、犯罪コミュニティーが形成されやすいと指摘。安価な報酬でも殺人を請け負う人間がいる背景には、こうした現地の特殊な事情があるとみられている。
今回の暗殺は、犯行の様子が防犯カメラに鮮明に記録されていた。この映像が決定的な証拠となり、フィリピン当局は迅速に犯人逮捕に踏み切った。フィリピン政府が観光や投資へのイメージ悪化を懸念し、事態の収拾を急いだ。
この出来事は、海外、特に東南アジアでの日本人に対する犯罪の危険性を改めて浮き彫りにした。過去には、日本の犯罪グループがフィリピンを拠点に特殊詐欺を行っていた事例も発覚しており、現地の闇ビジネスと日本人が深く関わっている実態が懸念される。
【編集:YOMOTA】