フィリピンの世論調査機関「OCTAリサーチ」が、今年7月に国内の成人1200人を対象に実施した調査によると、「中国を信頼できない」と答えた人は85%に上り、「信頼できる」と答えたわずか15%を大きく引き離した。特に55歳から64歳の年齢層では、不信感が89%と最も高く、最大の脅威となる国について尋ねたところ、中国が74%を占め、2位のロシアや北朝鮮(それぞれ4%)を圧倒した。


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 国民が中国を信頼できない主な理由として、以下のような点が挙げられている。
* 南シナ海での中国による高圧的な行動
* 中国からの密輸品による国内産業への打撃
* 中国人による犯罪の増加
* 中国人労働者との雇用競争

 さらに、フィリピン政府が南シナ海の主権を主張する姿勢に対しては、76%の国民が支持しており、反対の3%を大きく上回る結果となった。フィリピン海軍の報道官は、国民が自国の海洋権益を守るための政府の努力を理解している証拠だとして、領土保護への決意を強めるとコメントした。

 南シナ海では、フィリピンが主張する排他的経済水域(EEZ)と、中国が主張する「九段線」が重複しているため、両国間で衝突が繰り返されている。最近では、スカボロー礁周辺で中国海警局の船とフィリピン沿岸警備隊の巡視艇が衝突する事故が発生するなど、緊張が高まっている。
【編集:Eula Casinillo】
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