2025年9月、フィリピンでは、エネルギー効率の高いインバーター式セパレートエアコンへの移行が進んでいる。これは、電気代の高騰と環境意識の高まりが背景にある。


その他の写真:2025年9月2日(フィリピン・ミンダナオ島ダバオ市)

 以前は、窓に取り付ける一体型のエアコンが主流だったが、これは設置が簡単である反面、消費電力が大きく、騒音や振動の問題を抱えていた。今回設置された「Astron 1.5HP Inverter Split-Type」のようなインバーター式は、室外機と室内機が分離しており、低騒音・低振動を実現している。また、必要に応じて冷房能力を調整するため、一体型に比べて大幅な省エネが可能だ。

 このエアコン設置費用は、電源増設を含め約40,000フィリピンペソ、日本円で約11万円と高価だが、長期的な電気代の削減と快適性の向上を考慮すると、費用対効果は高いと言える。

 フィリピンの住宅は、日本の住宅と比較して断熱性能が低いことが多く、冷房の需要が非常に高い。そのため、電力消費量の削減は家計に直結する大きな課題となっている。インバーター式へのシフトは、この課題を解決するだけでなく、持続可能な社会への貢献にもつながる動きとして注目されている。

 今後、フィリピン市場では、ますます多くの人々が省エネ性能と快適性を兼ね備えたインバーター式エアコンを選択するだろう。
【編集:Eula Casinillo】
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