2025年9月4日、フィリピン・マニラ首都圏で日本人を標的とした強盗事件が立て続けに発生し、在フィリピン日本大使館は、在留邦人および渡航者に対して緊急の注意喚起を行った。

その他の写真:フィリピン・マニライメージ

 事件は9月3日夜から4日未明にかけて、タギグ市およびマカティ市で発生。
いずれも拳銃のようなものを使用した凶悪な手口で、日本人計6人が被害に遭った。

 事件の詳細

 9月3日午後10時40分ごろ(タギグ市BGC地区) 路上を歩いていた日本人4人に対し、犯人1人が拳銃のようなものを突き付け、カバンの引き渡しを要求。2人が応じると、犯人はバイクで逃走した。

 9月4日午前0時15分ごろ(マカティ市ベルエア地区) 日本人2人が歩行中、背後から近づいた犯人が肩掛けカバンを奪おうとし、振り向いた被害者に銃口を向けた。被害者がカバンを渡すと、犯人は別のバイクで逃走した。

 大使館が呼びかける防犯対策

 フィリピンでは銃器の所持が合法であり、違法銃器も広く流通している。特にマニラ首都圏では銃器を用いた犯罪が多発しており、大使館は以下の対策を強く推奨している。

 夜間の徒歩移動を避ける:近距離でも配車サービスを利用し、流しのタクシーは避ける。

 歩行時の注意:車道と反対側の歩道を選び、車道から距離を取る。

 持ち物の管理:バッグは車道と反対側、または体の正面で持つ。

 バイクへの警戒:2人乗りのバイクによる犯行が多いため、不自然な動きに注意。

 現金・貴重品の管理:多額の現金やパスポートは持ち歩かず、必要な場合は分散して携帯。


 ATM・店舗の選定:警備員が常駐する施設を利用する。

 万が一、強盗に遭遇した場合について大使館は「絶対に抵抗せず、身の安全を最優先に」と強く呼びかけている。犯人の要求には冷静に応じ、ポケットなどに手を入れる際は口頭で説明するなど、誤解を避ける行動が求められる。事件後は速やかに警察(911)へ通報するか、近隣の店舗などに駆け込んで助けを求めるよう促している。

 邦人を狙った犯罪が続く中、現地での安全確保には一層の警戒が必要だ。
【編集:KL】
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