【その他の写真:合宿の様子】
「あり方」から導く実践的成果
筆者はこの合宿に実際に参加し、その独自性を探った。プログラムの核となるのは、参加者自身やその所属する組織の課題を深く掘り下げ、「あり方」の視点から解決策を導き出すプロセスだ。参加者は内省と対話を通じて、これまでの行動様式や思考の癖を見直し、根本的な問題に気づく。
さらに特筆すべきは、その学びが抽象的な概念に終わらない点である。参加者は、コミュニケーション能力の向上や、マーケティング・セールスといった実務に直結する超実践的なスキルも同時に習得する。筆者が参加した回では、参加費を上回る売上や利益を短期間で生み出した参加者も複数確認できた。
参加者が語る変革の体験
2泊3日という短期間ながら、合宿は参加者の内面に大きな変化をもたらしている。参加者からは「日常の言動が自己中心的であったことに気づき、相手の視点を意識するようになった」「他人との関わり方や日常の立ち居振る舞いが変わったのを実感した」といった声が聞かれた。また、親子関係や職場での人間関係といった個人的な悩みが解消されたという報告もあり、これは単なるビジネススキル研修を超えた、人間性の根本に働きかけるプログラムであることを示唆している。
「会社を大きくする上で、自分の頑固さが足枷になっていたことに気づき、従業員やクライアントとの『心からの関わり方』を学べたのが一番の収穫」という声は、この合宿がビジネスにおける本質的なリーダーシップの育成に貢献していることを物語る。
合宿では、質の高い食事提供など心身両面に配慮した環境が整えられており、参加者は深い集中力と探求心を持って学びに取り組むことが可能となっていた。
日本の教育・ビジネスの未来への示唆
ユダヤ式教育は、世界的に見れば、起業家精神やイノベーションを育む基盤として評価されてきた。竹之内氏の合宿は、この思想を日本の現状に合わせて再構築し、ビジネスパーソンに「人としてどうあるべきか」を問いかける場を提供している。
これは、硬直化した日本の組織や社会において、創造性や対話を通じて新たな価値を生み出す人材を育てるための、一つの有効なアプローチとなり得る。今後、この「ユダヤ式合宿」が日本の教育やビジネスのあり方に、より大きな影響を与える可能性を秘めている。
【編集:Y.U.】