日本通運(NXグループ)は、インドで急成長する半導体産業向け物流事業を強化する。2028年までに同国事業の売上高を23年比で約3倍となる600億円に拡大する新たな目標を掲げ、専用倉庫の新設などインフラ整備を加速する。
世界的なサプライチェーン再編が進む中、インドを戦略的拠点と位置づけ、物流の専門性とインフラ投資の両面から市場での存在感を高める。

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​ NXグループは9月2日から3日間、ニューデリーで開催された南アジア最大級の電子機器関連展示会「SEMICON India 2025」に出展。メディア向け説明会で、インド事業の新たな目標を発表した。

​ 同社は現在、インド国内39都市に103の営業所と総面積約45万平方メートルの倉庫を展開。在庫管理から輸出梱包、通関まで、多岐にわたるサービスを一貫して提供している。

​ 発表によると、27年までにグジャラート州およびアッサム州に半導体専用の物流倉庫を新設する計画だ。日本や米国、台湾などで培った半導体物流のノウハウをインドのニーズに合わせて展開し、振動対策や温湿度管理、保税倉庫、ラストマイル配送といった高度な品質管理が求められる機能の整備を進める。

 ​売上目標達成に向け、半導体以外の成長産業も支えるべく、鉄道や海上輸送を活用したモーダルシフトも導入を検討する。

​ 今回の展示会では、約250人の来場者が同社ブースを訪れ、インド国内外の顧客やパートナーとの商談が活発に行われた。同社のインドにおける取り組みは、グローバルメディアのCNBCでも紹介され、小林克人NX南アジア・オセアニア社長らがインド半導体産業の発展を支える方針について語った。
【編集:af】
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