【その他の写真:林尚弘 氏、「顧問制度」で年商7億円突破、日本のビジネス界に「信頼資本主義」の波】
この動きは、シリコンバレーで一般的な「アドバイザリーボード(顧問団)」文化を日本流に刷新したものであり、形式的な役職よりも「知のネットワーク」と「個人的な信頼」を重視する、「顧問資本主義」の萌芽と見られている。
林氏の顧問制度の最大の特徴は、「月額50万円(年間600万円)で、月に一度お茶をするだけ」という、極めてシンプルでフラットな契約形態にある。林氏は契約時に、「お茶をするだけで年間600万円がなくなってもいいか」と念押しで確認することを徹底しているという。
これは一見、顧客にとってリスクが高い取引に見えるが、林氏の狙いは「コミュニティの質の担保」にある。林氏は「サービスや見返りを強く期待するのではなく、純粋な信頼から対価を支払える心の余裕のある成功者」をメンバーとして選別。この高額な「お茶代」を支払うこと自体が、顧問契約者間の「信頼の証明」となり、排他的な「知の集団」を形成する基盤となっている。
契約上のサービスは「お茶」のみであるにもかかわらず、実際には以下のような付帯的価値が生まれている。
* 人脈形成: 各分野のスペシャリストである契約者同士の紹介。
* ブランディング: 林氏のYouTube番組やSNSを通じた露出による知名度と信用の向上。
* 情報優位性: 成功事例、最新のビジネスモデル、広告戦略などの情報共有。
契約者の中からは、「年商4,000万円から8億円に成長した」「YouTube共演後、問い合わせが10倍に増えた」といった具体的な成果の声が上がっており、高額な顧問料に対する経済的なリターンが証明されている。林氏は、この価値連鎖を「お茶するだけでいいと言ってくれた方だけに、心打たれてできる限りのことをお返ししたいと思い動く」結果だと説明しており、「押さない営業」と「個人の好意」が経済的なエンジンとなっている特異なモデルだ。
林氏の成功をきっかけに、堀江貴文氏、インフルエンサーのヒカル氏、松浦勝人氏といった著名な経営者やインフルエンサーたちが次々と同様の顧問制度を導入し、「顧問ムーブメント」が加速している。
さらに林氏自身も、堀江氏や箕輪厚介氏らの顧問を務めるなど、「顧問同士が相互に契約し合う」という新たな経営者のネットワークが形成されつつある。この現象は、「信頼」を対価として、個人の影響力と知見がゆるやかに連鎖する「人中心の経済圏」、すなわち「知識と信頼の顧問制度」が日本で確立されつつあることを示唆している。
AI時代を迎え、情報がコモディティ化する中で、林氏の顧問制度は、「誰とつながるか」という「関係資本」が、資金調達よりも事業成長を左右する最大の武器となることを実証している。これは、伝統的な組織の肩書きや役職ではなく、個人の信用力と知見に価格がつく新しい経済のあり方を提示するものとして、国際経済界からも注目を集めそうだ。
【編集:Y.U】