2025年10月18日、「世界で最も長くクリスマスを祝う国」フィリピンでは、今年も例年通り9月からクリスマスシーズンに突入し、南国ダバオの主要商業施設も一気に華やぎを見せている。特に店頭には、多種多様な人工クリスマスツリーが所狭しと並べられ、早くも「本番」さながらの賑わいだ。


その他の写真:2025年10月18日撮影 フィリピンダバオの大型家具店で

 フィリピンでは、西語圏の影響が色濃い「セプテンバー(September)」から始まる末尾に「ber」が付く月、通称「Ber Months(バー・マンツ)」がクリスマス準備期間とされ、国民の約8割を占めるカトリック教徒にとって一年で最も重要な時期となる。

 ダバオ市内の大型商業施設(家具店)では、店頭の一角が鮮やかなクリスマスの装飾品で埋め尽くされている。ひときわ目を引くのは、雪をまとったかのようなフロッキー加工の「スノー・ツリー」や、濃い緑色の伝統的なツリーなど、サイズも色も異なる様々な人工ツリー群だ。

 さらに売り場には、既に豪華に飾り付けられた見本ツリーが設置されており、来店客の購買意欲を刺激している。ゴールドとシャンパンカラーのオーナメントで統一されたエレガントなツリー、赤と緑、白のキャンディケイン風オーナメントで飾られた賑やかなツリー、そして白とシルバーで雪の結晶をイメージしたモダンなツリーなど、最新のトレンドを反映した展示が並ぶ。

 棚には、サンタクロースや雪だるまのぬいぐるみ、金色の星形や葉の形の飾り、赤と白を基調としたキャンディやリースを模したオーナメントが大量に陳列されている。これらの豊富な品揃えは、長期間にわたるフィリピンのクリスマス準備を支えるため、9月の早い時期から展開されるのが恒例となっている。

 来店した地元住民の一人は、「家族や親戚へのプレゼントの準備もあるので、9月から少しずつ飾りを買い足すのが習慣だ。これだけ種類が豊富だと選ぶのも楽しい」と笑顔で語った。

 熱帯の国フィリピンにおいて、雪景色の装飾や冬のモチーフは特別な憧れの対象であり、鮮やかなクリスマスツリーは、家族の絆を深め、希望を分かち合う文化を象徴するものとなっている。世界最長とされるフィリピンのクリスマスシーズンは、これから本格的な盛り上がりを見せる。
【編集:Eula Casinill】
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