2025年10月22日、タイの人気観光地パタヤの理髪店で、女性店主兼美容師のスカートをめくろうとした日本人観光客が市内で特定され、パタヤ警察署で事件の経緯について取り調べを受け、罰金を課せられた上で釈放されたが、タイのネット上では厳罰を求める声が多く寄せられている。

その他の写真:理髪師のスカートに手を伸ばす日本人客(タイメディア映像より)

 事件は10月19日の午後、パタヤのビーチ近くにある美容室で発生した。
日本人観光客の男性4人組が来店し、うち1人が散髪を受けている最中、ソファに座って待っていた残りの3人が、散髪中の女性オーナー(カノッカン・カオサイダーさん)に対し、背後からスカートをめくろうとする行為に及んだものだ。この一連の行為は店内の防犯カメラに全て記録されており、観光客らが笑い合う様子も映っていたという。

 事件を受けて、パタヤ警察は迅速に捜査を開始。10月21日までに、パタヤ・セカンドロード沿いのホテルに滞在していた日本人観光客4人全員を特定し、警察署に任意同行させた。警察署に出頭した男性3人は記者団に対し、翻訳アプリを通じて「深く謝罪したい」と述べ、手を合わせて反省の意を示した。

 パタヤ警察は、この行為がタイ刑法第388条に定める「公衆の道徳に反する行為」にあたるとして立件し、軽犯罪に分類されるため、3,000バーツ(約12,000円)の罰金を課した上で釈放した。なお、聴取当日は被害者の女性店主が不在であったため、パタヤに戻り次第、両者の間で謝罪と和解の場を設けることを検討しているという。

 この事件に対し、タイのネットユーザーからは、観光客の行為だけでなく、罰則の軽さについても批判的な意見が多く寄せられており、タイ社会に大きな波紋を広げている。主なコメントは以下の通りだ。

「敬意を欠く行為だ。」
「酔っていたとしても許されない行為だ。公共の場で女性の尊厳を傷つけている。」
「日本のイメージが悪くなる。このような恥ずべき行動はタイに来ないでほしい。」
「日本人観光客はマナーが良いという固定観念があったが、今回の件で非常にがっかりした。
日本人の印象が変わった。」
「罰金だけでは軽すぎる。」
「3,000バーツや5,000バーツの罰金は、彼らにとっては痛くも痒くもない金額だ。抑止力にならない。」
「厳罰化と入国管理の徹底を求める。」
「このような行為をする外国人は、ブラックリストに入れて今後タイへの入国を拒否すべきだ。」
「観光当局や警察は、タイのイメージを守るために、もっと毅然とした対応を取るべきだ。」
「被害者の美容師さんは勇気を持って声を上げ、正しく対処した。彼女の尊厳を守るべきだ。」
「被害者が謝罪を受け入れるかどうかは、彼女の気持ちを最優先すべき。」

 こうした一部の日本人による低俗な行為の報道は、近年増加傾向にある。そして、コメントにあるような意見にタイ政府が応じ、日本人のタイへの入国を厳格化する可能性も否定できない。そうなった場合、観光客だけでなく、在住者や日本企業への影響は計り知れない。

 そうした場合、これはタイに限った話ではないはずだ。多くの先達が築き上げてきた「日本人」のイメージを壊すのは簡単だが、それを再構築するにはとてつもない時間を必要とするだろう。まだ間に合う今だからこそ、一人ひとりが海外での振る舞いを大いに心がけて欲しいと願う。

訂正とお詫び 本件についての2025年10月22日付け記事において、女性店主についてトランスジェンダーとしていましたが、実際には普通の女性でした。ここに訂正させていただくとともにお詫びいたします。
【編集:Ekkachai】
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