2025年10月15日 K-POPの世界的スーパースター、BLACKPINKのリサ(Lalisa Manobal)が、タイ国政府観光庁(以下、TAT)の「アメージング・タイランド・アンバサダー」に正式に就任した。TATは彼女の世界的な影響力を活用し、最大5,000億バーツ(約1.6兆円)の収益を目指す、過去最大級の観光プロモーションを始動させる。


その他の写真:タパニー・キアッパイブーン観光庁総裁

 TATのタパニー・キアッパイブーン総裁は、今回のリサとの提携について、タイ観光の未来における「極めて重要な瞬間」であると強調している。

 総裁は、リサ起用の理由と狙いを次のように語った。「我々がリサを選んだのは、彼女が世界的なアイコンであり、証明された持続的な成功と世界中に多くのファンを持っているからだ。彼女の参加は、共同キャンペーンを通じてタイの知名度を大幅に向上させるだろう。これにより、タイをプレミアムな質の高い旅行先として明確に位置づけることを目指したい。」

 リサの影響力は、単なる観光客誘致に留まらず、タイのブランドイメージを「高品質なレジャー目的地(Quality Leisure Destination)」へと引き上げる戦略の中核に位置づけられている。

 TATはこのコラボを通じて、500万から1,000万人の外国人観光客を上乗せし、2,500億~5,000億バーツの追加収益を生み出すことを目指す。総裁は、その達成への強い期待を示した。「リサがタイを最善の光で紹介することで、2026年の観光収入が、過去最高の年である2019年の水準に匹敵するか、それを上回ることを期待している。」

 リサとの契約期間は2025年9月29日から2026年9月29日までの1年間だ。プロモーション広告: 2026年1月には、リサをフィーチャーした60秒の宣伝広告が公開される予定だ。

 1億人を超えるリサのInstagramフォロワーに対するリーチは計り知れず、TATはオンラインでの閲覧数が少なくとも10億回に達すると推定している。特に、TATはリサのファン(BLINK)が現地を訪れる「ファンの観光(Fan Tourism)」を重視している。この層は、1回の旅行で平均5万バーツを費やす高付加価値な旅行者であり、タイの目指す「質の高い観光」戦略に完全に合致している。


 最後に、タパニー総裁は、この大規模キャンペーンの成功には国民全体の協力が不可欠であると訴え、安全性の確保と温かいホスピタリティの重要性を強調した。

「このキャンペーンの成功は、TATだけで担えるものではない。治安当局や地域社会を含むすべてのセクターの協力が必要だ。タイを世界クラスの目的地として評判を維持していくことは、国民全体の共有責任であると理解してほしい。」

 リサのグローバルな影響力と、タイ政府の強力なコミットメントが融合することで、タイ観光は新たな黄金時代を迎えようとしている。日本のファンにとっても、リサが紹介するプレミアムなタイを体験する絶好の機会となるだろう。
【編集:そむちゃい吉田】
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