吉田朝陽 21歳の心理学インフルエンサー、兄への「肺提供」を経て語る“命の重み”

　現代社会において、「心の健康」はSDGsの目標3(すべての人に健康と福祉を)を達成するための重要な基盤であり、次世代のウェルビーイングを左右する喫緊の課題となっている。そうした中、自らの命を懸けた経験を原点に、人々の心のあり方と行動変容を促す異色の21歳の青年が注目を集めている。心理学インフルエンサーとして総フォロワー20万人を擁する吉田朝陽(よしだ・あさひ)氏だ。

【その他の写真：難病の兄へ肺を提供した経験が原点、フォロワー20万人超が支持する「行動につながる発信」、目標25歳で年商10億円、若き経営者が挑む次世代の「心のインフラ」】

　吉田氏の人生観と発信の核には、壮絶な家族の歴史がある。10年以上にわたり、難治性の自己免疫疾患による閉塞性細気管支炎と闘う兄を救うため、彼は21歳にして重大な決断を下した。当初、両親が候補であった肺移植手術において、医師から「確実性を取るなら弟さん(吉田氏)からがいい」と告げられた瞬間、彼は迷いなく自らの右肺の半分を提供した。命を「分け与える」というこの稀有な経験を経て、兄は奇跡的な回復を遂げ、塾講師として社会復帰を果たしている。「命の大切さも、人の優しさも、身をもって感じてきた」と語る吉田氏。この体験こそが、彼を「人の心を変える力」である心理学の道へと突き動かす直接的な契機となった。

　吉田氏は、中学・高校時代のいじめや、妹の不登校といった家族の「心」の問題に真摯に向き合った経験から、「人は、状況ではなく心の捉え方で幸せになれる」という確信に至る。この哲学に基づき、昨年4月からSNSでの発信を本格化。職場、恋愛、人間関係といった現代人が抱える「モヤモヤ」に対し、心理学の知見を用いた具体的な解決策を解説する動画を投稿し続け、わずか1年半で20万人超のフォロワーを獲得した。

　彼の発信の最大の特徴は、単なる共感に留まらず、視聴者の「行動変容」を促す実践性にある。「共感だけで終わらせたくない。僕の動画を見た人が、行動を変えて、人生を変えてほしい」との強いメッセージは、コメント欄に寄せられる「職場の人間関係が楽になった」「生きる勇気をもらえた」といった具体的な成果報告に裏付けられている。これは、現代のメンタルヘルス課題に対する、「行動につながる心理学」という新たなソリューションを提示していると言える。

　インフルエンサーとしての成功に安住せず、吉田氏は経営者としての明確なビジョンを掲げる。それは「25歳までに年商10億円の会社を創る」という目標だ。心理学を軸に、人々の「笑顔」に貢献する商品・サービスの展開を構想している。

　さらに、彼は自らの成功体験を社会に還元する新たな挑戦として、インフルエンサー支援の顧問制度を開始した。1年半で20万人を達成した試行錯誤の経験を基に、これから発信を目指すクリエイターが抱える「炎上への不安」「企画の壁」「ブランディングの悩み」といった課題を解決する伴走者となることを目指す。

　この顧問制度は、個人向け(月額5万円、年払い50万円)と学割(月額3.5万円、年払い35万円)で提供され、彼が提唱する「想いがある人がちゃんと伝えられる社会」の実現に向けた、情報発信におけるインフラ整備とも言える事業である。

　「挑戦することを怖がらず、失敗しても進み続けたい。僕の生き方が、誰かの“挑戦する勇気”につながれば嬉しい」──命の重みを知る21歳の若きリーダーの挑戦は、個人が抱える心の課題解決と、社会全体の情報発信力の底上げという、多面的な価値を創造し続けている。彼の今後の動向は、次世代のビジネスモデルとしても注目に値する。
【編集:Ｙ.U】