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特に世間を震撼させているのが、東南アジアを舞台にした組織的な詐欺事件である。SNSや求人サイトで宣伝された「月80万円以上の高収入」「海外勤務」といった甘い謳い文句に惹かれた多数の韓国人若者がカンボジアなどへ渡航した。しかし彼らを待っていたのは、暴行、監禁、そして国際的な詐欺グループへの強制加担という非人道的な現実であった。
韓国政府は昨年10月に一部の被害者を送還したが、実際の被害者は1万人以上に上ると推測されており、中には殺害されたケースも確認されている。証言によると、現地では私物を没収され、極めて狭い部屋に閉じ込められた上で、労働ではなく詐欺の実行を強要された。さらに、脱出の条件として「友人3人を騙して連れてくること」が課せられるなど、被害者自らが加害者へと転じる悪質なシステムが構築されていたという。この組織の多くは中国系の巨大な詐欺ネットワークが運営しているとされ、夢を求める若者が、社会の隙間と国際犯罪組織に利用される悲劇的な構図が浮き彫りとなった。
国内では、若年層の失踪が急増し、深刻な事態となっている。警察庁の統計によると、失踪者は年間7万4000人に上り、これは1日平均340人が行方不明になっている計算だ。特に失踪者が増加しているのは20代から30代の若者層である。
背景には、長期化する若者の就職難がある。
また、遺体発見のニュースも後を絶たない。ソウル近郊の河川敷で下半身だけの遺体や、川に浮かぶスーツケースから切断された遺体が発見されるなど、身元不明の遺体が珍しくなくなるという治安の悪化が表面化している。さらに、市場での幼児誘拐未遂事件など、白昼堂々とした拉致・誘拐の試みも頻発しており、市民生活への不安が広がっている。
治安悪化の懸念を高めているのが、中国人へのビザ免除制度である。2025年9月に景気回復を目的として導入されたこの制度(団体旅行、15日以内滞在が条件)は、結果的に社会管理の不備を露呈した。法務部と観光庁の統計によれば、過去3年間で中国人観光客の「脱団」や「行方不明」が1352人に達しており、入国管理はできても出国が確認できないというリスクを抱えている。
これにより、不法滞在や中国系マフィアによる犯罪増加への懸念が強まり、一部地域では中国人の不動産購入による地価高騰も引き起こし、韓国国民の間で社会の分断を加速させているとの批判も出ている。この制度は、一見経済政策に見えるが、実態として管理できないリスクを抱え、社会不安を招いている。
一連の事件は、長引く経済の停滞と、若者に対するセーフティネットの機能不全、そして「制度」の管理の甘さが重なり合って生まれた結果だと言える。国が国民を守るために作ったはずの制度の隙間に、経済的に追い詰められた人々が落ち込んでいるのが現状だ。
【編集:MD】








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