フィリピン南部ダバオ市において、狂犬病を始めとする感染症対策の一環として、子犬に対する予防接種プログラムが順調に履行されている。狂犬病が依然として公衆衛生上の脅威である同国では、子犬期のワクチン接種は、個体の防御のみならず、地域全体の防疫体制確立に不可欠な措置と位置づけられている。


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 予防接種を受けたのは、生後5カ月となるシー・ズー犬(Shih Tzu)。飼い主の家族に連れられ、地元の動物病院「ロイヤル・アニマル・クリニック」に来院した。

 同子犬は2025年10月18日に初回接種を受け、その後、予定通り2週間後の11月1日に2回目の接種を実施した。

10月18日(初回接種)
狂犬病ワクチン「RABISIN」:狂犬病予防法に基づき接種。
混合ワクチン「Bayovac L & DHPPI」:犬ジステンパー、パルボウイルス、レプトスピラ症など重篤な感染症から保護するためのコアワクチン。

11月1日(2回目接種)
混合ワクチン「Bayovac L & DHPPI」:初回と同種の混合ワクチンを追加投与。子犬は母犬からの抗体が残存しているため、ワクチン効果を確実にするため、通常複数回の接種が標準とされている。

 接種後の記録票には、次回の混合ワクチン最終投与日が11月15日と明記されており、今後もスケジュール通りの防疫措置が求められる。

 フィリピンでは狂犬病が蔓延しており、飼い犬への予防接種は法律で義務付けられている。動物病院の獣医師は、「ワクチン接種は、個々の犬の健康維持だけでなく、人獣共通感染症から飼い主や地域社会全体を守るための公衆衛生上の責務である」と強調。定期的な接種の徹底を呼びかけている。

 子犬の飼い主である女性は、「これでひとまず安心した。
フィリピンで犬を飼う責任として、国の定める予防措置を確実に履行したい」と述べ、愛犬の健康管理に対する意識の高さを示した。

 地方自治体による無料接種キャンペーンも展開される中、今回の子犬のような幼齢期のワクチンプログラム完了は、ダバオ地域の防疫レベル向上に直結する重要な事例となっている。狂犬病ワクチン「RABISIN」の2回目の摂取は、6カ月後の2026年4月18日の予定だ。
【編集:eula】
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