大型台風「ティノ(Tino)」(国際名:カルマエギ)が2025年11月4日にセブ島付近を通過した影響で、セブ島各地で大規模な停電や通信障害が断続的に発生し、市民生活と経済活動に大きな混乱が生じた。

その他の写真:被害の少ないマクタン島ラプラプ市内

 アクティブシニア・マクタン島木曜会 尾田慎二さんからの報告によると、『台風は強い風雨を伴い、セブ島の主要電力線と通信インフラを直撃。
電力供給会社(VECOなど)は、倒木や電柱の損傷により、島の広範囲で送電が停止したことを認めた。主要都市であるセブ市やマクタン島のリゾートエリアでも停電が発生し、多くの施設が非常用電源での対応を余儀なくされた。

 停電は同時に通信サービスにも影響を及ぼし、大手通信キャリア(Globe、Smartなど)の一部基地局がバッテリー切れや回線損傷によりダウン。これにより、携帯電話やインターネット接続が不安定または不通となるエリアが続出し、安否確認やビジネス上の連絡に支障が出た。2階建ての建物の1階部分が水没したり、道路が河川状態になり流される車も多かった。また、オンライン授業やリモートワークに依存する語学学校やIT関連企業では、緊急休校や業務中断の措置が取られ、経済的な損失が懸念されている。

 セブ島では2021年の巨大台風(ライ/オデット)で長期の停電・断水に見舞われた教訓から、事前対策は強化されていたものの、インフラの脆弱性が改めて浮き彫りとなった形だ。当局と電力・通信各社は復旧作業を急いでいるが、全域での完全回復には数日を要する見通しだ。』
【編集:Eula】
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