2025年11月4日、フィリピン災害対策当局は、大型台風25号(フィリピン名:Tino/カルマエギ)に伴う記録的な豪雨と強風により、セブ島などビサヤ地方を中心に、少なくとも27人が死亡したと発表した。

その他の写真:マクタン島ラプラプ市

 台風は同日未明にフィリピンに上陸し、各地で深刻な被害をもたらしており、死傷者数はさらに増加する見通しだ。
今回の台風は、強烈な暴風雨により、広範囲で樹木が倒壊し、電線が切断された。これにより、数十万人の住民が自宅を離れ、避難所での生活を余儀なくされている。

 南部のミンダナオ島では、洪水や土砂崩れの被災者を救助するため出動していた軍のヘリコプターが墜落する事故が発生。当局は現在、墜落の原因究明とともに、搭乗していた乗組員の被害状況の確認を急いでいる。救助活動の最中に起きたこの事故は、被災地での困難な活動状況と、二次被害のリスクの大きさを浮き彫りにした。

 セブ島の広い地域で、電力網や通信網が寸断。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上には、屋根の上で孤立し、助けを求める住民の切実な画像が多数投稿されており、被災地での救援活動の遅れと、緊急性の高さが国際的にも懸念されている。フィリピン政府は、国軍や国家警察、地方自治体と連携し、水没地域からの救出、食糧や物資の供給など、緊急対応を本格化させている。

11月5日6時40分追記、ヘリコプターは、ダバオを出発し、ブトゥ​​アン市に向かう途中で、アグサン・デル・スル州第60歩兵大隊付近で墜落した。
【編集:Eula】
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