フィリピン通信社(PNA)などによると、フィリピンの送電網を管理するナショナル・グリッド・コーポレーション(NGCP)は2025年11月5日夜、台風25号・ティノ(国際名:カルマエギ)の影響により、ビサヤ地方で69kV送電線3本が依然として不通となっていると発表した。一方、現地メディアは、この台風による死者数が100人を超えたと報じている。


その他の写真:GMAニュースから

 NGCPは、暴風雨による被害を受け、5日午後9時時点で、ビサヤ地方の主要な送電線が不通となっている状況を地図で公表した。同社によると、69kV送電線3本が不通の状態が続いているが、別の1本は同日夕方に復旧したという。

Maasin-Baybay 69kV線 | 全域不通 | LEYECO IV (レイテ第4電力協同組合) |

|Calongcalong-Asturias 69kV線 | 全域不通 | CEBECO II (セブ第2電力協同組合) |

|230kV線 1本 | 不通 | (詳細非公開) |
| Ormoc-San Isidro 69kV線 | 部分的に通電 |

DORELCO、SOLECO、LEYECO III、LEYECO V |
| Ormoc-Baybay 69kV線 | 復旧済み | LEYECO IV (5日午後5時41分に復旧) |

 NGCPは「ラインクルーを動員し、巡視を実施している。立ち入り可能な地域では同時並行で復旧活動を進めている」としており、電力供給の早期回復を目指している。

台風による被害:死者100人超との報道

 国家災害リスク削減管理評議会(NDRRMC)は5日午前の時点で、台風ティノによる死者数を66人、行方不明者を26人と発表した。

 しかし、一部の地元紙は、最も被害の大きかったセブ州などで甚大な被害が明らかになるにつれ、死者数が100人を超えたと報じている。

死者: 66人(NDRRMC公式発表)
セブ州で49人、ネグロス島地域で7人、ボホール、カピス、レイテ各州で1人。この他、救援活動中の空軍ヘリコプター墜落による乗員6人の死亡を含む。

行方不明者: 26人(NDRRMC公式発表)
セブ州で13人、ネグロス・オクシデンタル州ラ・カステリャーナで13人。
死者の多くは、洪水や土砂崩れ、がれきの下敷きになったことによるもので、被害の全容について当局による検証が続いている。
【編集:EULA】
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