フィリピン南部の主要都市ダバオ市の郊外に位置するガイサノモール・トリル1階の特設広場では2025年11月8日、大型クリスマスバザールが本格的な賑わいを見せ、来店客で活気づいた。同国では9月からクリスマス準備が始まる「世界最長のクリスマス」として知られるが、11月に入り、各地で装飾品販売がピークを迎えつつある。


その他の写真:ガイサノモール・トリル、2025年11月8日撮影

 会場中央に設けられた特設イベント広場には、多種多様なクリスマスツリーやオーナメントが所狭しと並べられ、さながら光の祭典の様相を呈している。

 特に目を引くのは、フィリピンの伝統的な星形ランタン「パロル(Parol)」だ。会場内には、電飾で彩られた巨大なパロルがいくつも吊るされ、フィリピンのクリスマスに欠かせないシンボルとして存在感を放つ。

 販売コーナーには、定番の緑のツリーに加えて、雪を模した白やゴールドの華やかなツリー、赤や白のポインセチアなど、南国らしい色彩と人工雪が混在したアイテムが豊富に陳列されている。ミニチュアのクリスマス村や、動くサーカス小屋のディスプレイは子供たちの目を集め、買い物を楽しむ家族連れで溢れた。

 「クリスマス・バザール」の看板には「10月10日~12月31日」の会期が明記されており、既に2ヶ月近く前から営業していることが窺える。これは、フィリピン人がこの時期をいかに重視しているかを物語る。
フィリピンのクリスマスは、家族の絆を深め、信仰心を再確認する大切な期間だ。9月から12月にかけての期間を示す「バーマンス('Ber Months)」という言葉があるほど、クリスマスの到来は待ち望まれている。

 会場の一角では、家族が集う食卓をイメージした豪華なテーブルセッティングも展示されており、年の瀬の大型行事に向けて人々の期待が高まっている様子が伝わってきた。ダバオのクリスマスは、まばゆい光と賑やかな飾り付けと共に、年末まで続く熱狂的なお祝いの序章を迎えている。
【編集:EULA】
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