近年、北朝鮮では、わずか3キロの米を入手するために売血行為が急増している。血の量は400ミリリットル。
3キロ(2升)の米で3人家族がしのげるのは3日ほど。

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 戦後の日本でも売血は流行ったが、当時感染症を持っている人、肝炎を患っている人、毎日でも血を売る人で、輸血によってその後遺症に苦しんだ人が多く出たため、試行錯誤の上今の献血制度ができたのだ。

 北朝鮮の売血は、日本の献血とは別物だ。昔の売血制度に似たものと言っていいかもしれない。
北朝鮮にも献血センターは存在する。市民は無償で血液を提供する献血と、有償で100グラム当たり34円の収入を得るか、飴か砂糖と交換できる。

 前記で3人暮らしで3日持つとしたが、食糧難の北朝鮮では、3食食べることはできない。3キロの米をいかに長く持たせるかに知恵を絞らなければいけない。1日1食として、家族が多い家は、誰かが毎日交代で売血に出なければいけない。
特に今年は、異常気象で、本来秋に出回る食料も出回っていない現状では、もう血を売るしかないのだ。髪の毛など売れそうなものはとっくに食料に代わってしまっているのだから。
衛生状態が劣悪な施設でこそ血は簡単に売れる。
事前検査や問診が省かれるからである。採血針はもちろん使いまわしだ、消毒などされてはいない。そこで新たな病をもらったとしても血を売り続ける。そして当然貧血になり、寝たきりになる。寝たきりのまま衰弱死もある。北朝鮮国民はそれを願っているとさえ思えてくる。一人減れば、家族の食べる量は増えるのだから。

 家族中が売血で衰弱して「飢え死にした」。そんな声が今日も聞こえる北朝鮮なのだ。
【編集:fa】
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