2025年11月10日、成田国際空港第2ターミナルの入国審査前エリアで、訪日外国人旅行者(インバウンド)を主なターゲットとしたデータ通信SIMカードの自動販売機(Vending Machine)が置かれている。これは、空港到着後すぐに通信環境を確保したいというニーズに対応したものだが、提示された価格設定が「お得」な選択肢となり得るか、利用者の間で判断が分かれそうだ。


その他の写真:成田国際空港第2ターミナルの入国審査前エリア

 確認された自販機では、NTTドコモの4G回線を利用した「GLOBAL SIM JAPAN」のプリペイドプランが提供されている。主力は滞在日数に応じた「Unlimited(使い放題)」プランで、最安は「6日間使い放題」の2,500円(1日あたり約417円)から、「33日間使い放題」の6,000円(1日あたり約182円)まで、日数が増えるほど日割り価格は割安になる方式だ。

 この自販機方式の最大の利点は、カウンターでの待ち時間なしに24時間いつでも購入可能な「利便性」にある。長旅で疲れた利用者が、すぐに地図検索や連絡を取りたいといったニーズには最適だ。eSIMの選択肢(6日間2,500円など)も用意されており、SIMトレイの入れ替えが不要な利用者にも対応している。

 しかし、価格面では競合との比較が不可欠だ。日本の大手通信会社が提供する短期データプランや、モバイルWi-Fiルーターのレンタルサービス(特にグループ利用時)と比較した場合、この自販機の料金設定が必ずしも業界最安値とは限らない。特に滞在日数が長くなるほど、Wi-Fiルーターの日割り料金や他社SIMの長期プランが割安になるケースもある。
【編集:af】
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