韓国には、日本からもママになったばかりの女性が入院したがるほど、または韓国での出産を希望するほど、産後ケアの整った出産体制が敷かれているとばかり思っていたのだが…それは、一部セレブ対象の夢物語に過ぎなかったのだろうか。

その他の写真:イメージ

 欧米などでは、朝産んで夜退院するくらいライトな出産形態である。
しかし日本では、別名女の戦として、出産後21日間は水を触ってはいけない読み書きは頭に血が上るから禁止など周囲の女性たちがフォローして産褥期を乗り越えさせるシステムが存在した。今は、産科の食事がものすごく豪華とか一生に1回のセレモニー化し、各自治体の産婦への手厚い援助がある。まあ産んで1週間くらい入院しているわけで、医師も助産師もナースもそばにいると思われるのだが。

 それは韓国で起きた医療事故。帝王切開で双子を産んだ女性が、9日後に最終診察を受けている間に大量出血をした。それは帝王切開した病院での診察ではなかったようだ。
すぐに救急車が呼ばれたが、どこの病院でも引き受けてはもらえなかった。最終的に、出産した病院しか受け入れてはくれず、一命をとりとめた。
韓国の産科医療は分業なのだろうか。帝王切開の治療は入院したまま、産んだ病院で行われるのではないだろうか。

 出血中に、彼女は10回ほど失神したと言う。産褥パンツから血がしたたり落ちて救急車内が血の海だったとも語る…失神するほどの人が良く見ていたものだ。
救急隊員に「しっかりして」と励まされたのも迷惑で、二度と子供は生まないと思ったとか。
輸血をしたことで血は止まり、回復に向かっている。
…そう、この母親は、ユーチューバー。見てもらうためには多少大げさな脚色は必要だ。

 韓国の国会ではこの動画を受けてかどうか。「救急外来たらいまわし」防止の応急医療法改正案が可決した。

 ちょっとしたことでも救急車を呼ぶ。救急車をタクシー替わりに使う。確かに自分には緊急のことだろうが、翌日普通に通院してもいい状態もある。かかりつけもなしに救急車に探させる人もいる。一応、救急隊の中ではトリアージはなされていい。
気軽に救急車を使うから、病院で受け入れ態勢ができず、回さずを得ない場合も多いのだ。
医療破綻しているのだ。
医療者たちのストを、韓国の国会議員は忘れてしまったらしい。コロナ禍から休みなしで疲弊もマックスなのだ。他に回すなではなく、どうしたらその労に報いられるかが先では。

 件のユーチューバー、産んだ病院は大切に。帝王切開の平均入院期間は6日から9日。他の病院の診察を受けている暇はありません。双子ちゃんはその間どうしていたのかな?
【編集:fa】
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