中長距離ローコスト航空会社(LCC)のエアアジア X(D7)は2025年11月17日、マレーシアのクアラルンプール(KUL)とトルコのイスタンブール(サビハ・ギョクチェン国際空港/SAW)を結ぶ直行便の運航を開始した。同社がトルコ市場へ参入するのは初めてであり、アジア以遠へのネットワーク拡大と、長距離国際線における手頃な運賃の提供という経営戦略を具現化したものだ。


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 今回の新規開設は、長距離路線における価格競争を激化させる要因となり得る。日本国内の羽田および関西空港からクアラルンプールを経由するイスタンブール行きの運賃は、片道税込49,990円からと設定されており、既存のフルサービスキャリア(FSC)と比較し、費用対効果の面で優位性を発揮する。

 特に、同社が提供する「FLY THRU(乗り継ぎ)」サービスを利用すれば、ASEAN域内130以上の都市からイスタンブールへのシームレスなアクセスが可能となる。このネットワークは、レジャー客層に加え、コスト意識の高いビジネス利用層の選択肢を広げる。

 エアアジア Xのベンヤミン・イスマイルCEOは、「本路線は、東南アジアとヨーロッパを結ぶ重要な架け橋となる」と述べ、歴史と商業が交差するイスタンブールへの需要は高いとの見方を示した。

 トルコへの外国人旅行者数は昨年6,200万人を超えており、同路線の開設は、2026年の「マレーシア観光年」に向けたインバウンド需要の拡大や地域間の接続性向上に寄与すると期待される。運航は週4便体制で、年間15万席以上の座席供給力を持つ。

フライトスケジュール(KUL=SAW線)

KUL → SAW (クアラルンプール → イスタンブール) | D7 604 | 09:35 | 16:05 | 月、水、金、日 |

| SAW → KUL (イスタンブール → クアラルンプール) | D7 605 | 17:20 | 08:40 +1 | 月、水、金、日 |
(時間はすべて現地時間。イスタンブール:サビハ・ギョクチェン国際空港)
【編集:af】
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