フィリピン・パンパンガ州のクラーク国際空港(CRK)の運営・管理を手掛けるルソン国際プレミア空港開発公社(LIPAD)は、2025年11月27日から30日にかけ、東京で「中央ルソン地域ロードショー in Japan 2025」を開催中だ。同社は今回の訪日を通じ、日本から中央ルソン地域への観光客誘致および投資促進を強化する方針だ。


その他の写真:クラーク国際空港・ジャスミン・レイエス氏、駐日フィリピン大使館(2025年11月28日撮影)

 また、現在運航している成田路線に加え、関西国際空港(大阪)への新規路線開設の可能性についても模索するとしており、首都マニラに次ぐ「第2の玄関口」としてのハブ機能強化を急ぐ。

 今回のロードショーは、2023年の初回開催の成功を受けた第2弾となる。日本の旅行代理店や航空業界、政府関係者を招いた製品プレゼンテーションおよびBtoB(企業間取引)セッションを実施。さらに、同時期に開催される「フィリピンフェスティバル東京2025」にもブースを出展し、日本の一般消費者や在日フィリピン人コミュニティに向けて、中央ルソン地域の多様な観光資源と文化を発信する。

 LIPADが主導する今回の取り組みには、フィリピン観光省第III地域事務所(DOT III)、基地転換開発庁(BCDA)、スービック湾都市開発庁(SBMA)、アンヘレス市観光局(ACTO)といった主要な政府機関・地方自治体がパートナーとして名を連ねる。特にBCDAやSBMAは、かつての米軍基地跡地を活用した経済特区の運営を担っており、観光のみならず、日本企業からの投資誘致やビジネス連携の拡大も視野に入れているとみられる。また、観光省東京事務所とも連携し、日本市場における中央ルソン地域のプレゼンス向上を図る。

 航空ネットワークの拡充については、フィリピン最大手の、セブ・パシフィック航空がパートナーとして参加する。同社は現在、クラーク―成田間を毎日運航しており、同地域と日本を結ぶ物流・人流の要となっている。クラークー関西線については、週4便で2026年中の就航を目指す。

 LIPADは今回のロードショーで、クラーク国際空港が日本の旅行者やビジネス層にとって中央ルソンへの主要なゲートウェイであることを強調する構えだ。LIPADのノエル・F・マナンキル社長兼最高経営責任者(CEO)に加え、交通開発責任者のジャスミン・レイエス氏らが来日し、CRKのハブ機能としての優位性をアピールする。


 特に注目されるのは、新たな路線網の拡大計画だ。同社はリリースの中で、クラークと日本を結ぶ新たな機会として「大阪への潜在的なリンク」を含む新規路線の可能性を探る意向を明らかにしており、実現すれば西日本エリアとの経済・観光交流が飛躍的に拡大することが期待される。

 民間セクターからは、クエスト・プラス・コンファレンス・センター・クラーク、スービック・リベラ・ホテル&レジデンシズ、メガワールド・キャピタル・タウンといった大手ホテル・不動産開発企業が参加。さらに、ジョン・ヘイ・マネジメント・コーポレーション(JHMC)や現地のツアーオペレーター各社も同行し、宿泊施設や観光商品の充実ぶりをアピールする。

 マニラ首都圏の空港混雑が課題となる中、高速道路網の整備が進むクラーク周辺は、新たな経済・観光拠点として注目度が高まっている。LIPADは、官民一体となった「チーム・セントラル・ルソン」として日本市場に攻勢をかけ、パンデミック後のインバウンド需要とビジネス投資の取り込みを加速させる狙いだ。
【編集:eula】
編集部おすすめ