韓国の労働組合は、深夜配送(午前0時から5時)の制限を求めている。確かに、車のない時代、翌日配達などの制度がなかった場合、ドライバーや倉庫の方々は休養や睡眠が今よりもとれていただろう。
一部生鮮食品を扱う長距離ドライバーですら、もっとゆったりした時間で過ごし、体内時計の進み方も病むほどではなかったに違いない。けれど、人間は、手軽さと速さを求めた。

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 韓国の小規模事業者は「深夜配送の制限が実現化すれば、小規模事業者の生態系が崩壊する」と制限の撤回を求めている。小商工人連合会のは、韓国国内唯一の小規模事業者の法廷経済団体で、会員数は80万人。

 制限が実用化されるとして、小規模事業者の売り上げは年間約1兆9310億円減少すると試算されている。クーパン(韓国的amazon)などの売り上げも3兆3200億円減少し、宅配業界は2800億円の現象。関連経済損失は年間で5兆4000億円になるという。

 夜間配送があることで、野菜の冷凍製造会社は躍進を続けている。なくなると、会社だけでなく、その類は野菜を作る農家にまで及ぶ。
キムチ業者も、さまざまな時間の配送があることで、首都圏でない場所にある業者が首都圏に進出できる、夜間配送を止めることは「廃業しろ」と言っているようなものだと語気を強める。

 いわゆる普通のドライバーの宅配労組は、過労防止のために夜間配送制限に賛成している。しかし、通販業者が運営する独自の配送ドライバーは、1個当たりの単価も安く数で勝負をしないとまっとうな生活もできないと不満を口にできないでいる。

大手のドライバーはある程度法律で守られる部分はある。宅配の荷物を引き受けなくても会社はいきなりつぶれたりはしない。だが、個人の宅配業者を守るものはない。

 ここは、国民が速さと便利さを求めたつけを自覚し、消費者ニーズで労働の仕方の提案をしてみるのもありかもしれない。「明日つかないと死にます」という人はどこにでもいるから一筋縄ではいかないが。
【編集:fa】
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