2025年11月下旬、日本と中国の政治的対立が深まり、中国側からの対日制裁や反日感情の高まりが報じられる中、11月23日に成田国際空港から上海に渡航。上海を訪問した日本人旅行者からのレポートが届いた。


その他の写真:資料写真 成田空港

 成田発の中国国際航空(エアチャイナ)上海行きフライトはほぼ満席で、乗客の多くは中国人客だったものの、出国時のチェックインカウンターに特段の混雑は見られなかった。一方、中国から日本へ到着する便については、空席が目立つ状況が確認された。入国手続きを巡っては、航空会社スタッフから、日本人の査証(ビザ)なし入国は「全く問題ない」との回答を得た。

 上海・浦東国際空港での入国審査は、電子版の入国申告書(デジタルアライバルカード)を利用し、スムーズに完了。審査の列には多数の日本人客が並び、審査官からの質問は「中国に何日滞在するか」のみで、特別な検査や引き留めはなかった。

 入国時およびその後の市内滞在を通じて、反日ムードや不穏な空気は感じられなかった。

 市内の様子について、報告者は繁華街や観光地で多数の日本人観光客やビジネス客を確認し、日本の旅行会社の団体ツアー客も散見された。日系の百貨店や店舗(ユニクロ、無印良品、高島屋など)は通常通り営業。特に高島屋内の日本式うなぎ専門店は、昼食時に主に中国人客で満席になるなど、日本食への高い需要が見られた。

 上海の日本領事館は厳重な警備下に置かれ、警察官らにより立ち入りや写真撮影は規制されていたが、付近で抗議活動などは確認されなかった。
【編集:LH】
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