世界的に金の価値が上がっている。お金の方の金ではなく、金属の方の金だ。
現金より金を持っていたほうが、いざという時にだいたいの国で換金できる強みは存在する。だが、歴史の中で、地球上の金はほとんど採掘されてしまったとも言える。お金にはあまりならない砂金掘りは、レジャーとして存在するのだが。

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 北朝鮮で、生活に追い詰めらた国民が金の採掘に従事し始めた。しかし、現場は危険だらけで、油断しなくても命を落としやすい。現場は金山として成り立っている場所ではなく、違法採掘場だからだ。

 近年は、生活がますます厳しくなり、女性の採掘者が増える一方だ。未婚女性、子持ちの女性、50~60代の中高年女性まで年齢で括られることはなく、今自分にできることに命を懸けているともいえる。
先日は、子連れで採掘をしていた女性が、子だけ残して落盤事故で死んだ。残された子を養う余裕のある国民など北朝鮮にはいない。それが、子の祖父母であってもだ。
落盤事故は人を選ぶことはないから、若い女性も次々事故に巻き込まれ命を落とし、残された親が己の貧しさを呪うと言う環境が続く。


 経済制裁による貿易縮小、市場は物価高騰。物がないだけでなく、お金を稼ぐ職場もない。山の木の根や木の皮まで食べつくしている現実。

 だからこそ、万が一道の金鉱が北朝鮮には残されており、一発逆転を狙いたくなる衝動を止めることはできない。
安全ではない。むしろ事故が多発している。生きるのがつらいけれど自死する勇気もなく、事故で終わりにしたい…そんな思いも、この採掘ブームにはあるのかもしれない。
【編集:fa】
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