禊。日本の芸能界はとても甘い。
「みそぎ」が済むと、性犯罪を起こした加害者であっても、演技力と事件は別物だからと戻ってくる場所が用意されている。被害者からしたら禊なんか一生ないのに。そして人気芸能人が性犯罪を起こすと、被害者の方を叩くファンたち。推しが見られなくなるがそんなに辛いか。

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 韓国で、性犯罪を起こした俳優が、芸名を変えて舞台復帰を試みた。例えば、整形天国の韓国であって、この俳優がフル整形したとしても、いつかはバレる。もともとのネームバリューや関係者の線から、ほころびというのは必ず起こる。

 内々で芸名を変えて、突然舞台復帰して既成事実をつくるという目論見は、SNS上でバラされ終わった。
以前にも、禊は終わったと復帰しようとしたが、多くの国民はそれを許さなかった。テレビではなく、お金を払って見に行く固定客のための神聖なる舞台を汚されたくはない。そういう「共演者のファンたち」も多かったに違いない。「演劇界は性犯罪の洗濯場ではない」そんな強い批判に晒されてしまった。
彼を舞台に立たせようとした劇団も、共犯だと名指しされた。

 この俳優は2018年に舞台スタッフに性的加害を行ったとして懲役8か月の実刑判決になった。スタッフも示談に応ぜず、毅然と立ち向かったことはすばらしい。
実刑判決のほかに、性暴力防止プログラム40時間の履修と3年間の青少年関連施設への就業禁止も命じられた~青少年施設だって、性犯罪加害者を雇うわけがなかろう。
日本でも、芸能人はやめて、福祉の道に進みますと宣言したものの実現していない犯罪者もいる。
結局はきれいごとを並べて、みんなが忘れるのを待っている。日本にはそんな甘さが残っている。

 でも韓国では、とことん許さない。法の裁きを受けても許さない。それでいいのだ。
自分には俳優としての実力があるのにと思うかもしれない。代わりはいくらでもいる。
あの人ならどう演じるかと思い出してもらうだけで良しとしなければならない。

 韓国の「同意なしで行われた性行為は犯罪だ」は一貫している気がしてならない。
【編集:fa】
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