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海外富裕層を魅了する「日本の木」の中でも、同園が供給し国際市場で高い人気を博してきたのが「イヌマキ」や五葉松といった伝統樹種である。中国でイヌマキは「羅漢松」として知られ、僧侶の袈裟の色変化を連想させることから「最高位の縁起木」として珍重され、富裕層のステータスシンボルとなっている。海外富裕層は一点物の銘木への志向が強く、樹齢数百年を数える大木が高額で取引される事例も少なくない。実際、輸出統計では長らく中国・ベトナム向けが上位を占め、所在地である千葉・匝瑳市は国内有数の「植木の名産地」としての地位を確立している。
この塚本家には、「家庭」という言葉は家と庭から成るという考えと共に、1300年ごろから口伝で伝わる「和盛りの庭づくり」という教えが先祖より伝わっている。これは全ての存在を大切にし、高めあい、育み助け合う共存共栄の庭のあり方を指し、「生かせば生かされるのが和庭の教え」とされる。この自然との調和を重んじる哲学が、同園の植木づくりと、日本庭園の精神的な深みを支えている。
インバウンド時代に「大型植木」は最強の「空間価値」になり得ると、差別化に苦慮する宿泊施設や飲食店に対し、塚本樹苗園は戦略的な提案を行っている。塚本代表は、「海外輸出が鈍化している今こそ、訪日客に‘本物の日本文化’を体験していただく好機。
塚本代表はインバウンド事業者との親和性について、「大型植木は、言葉が分からなくても写真一枚で日本らしさを直感的に伝えられる強みがある。SNS映えやブランド力の底上げに大きく寄与する」と指摘する。とりわけ旅館・ホテルにとって庭園の大型植木は「日本文化そのもの」を象徴する存在だ。近年、年間55万人以上が庭園を目的に訪れる足立美術館の事例にも見られるように、外国人観光客の間で「日本の緑」への関心は非常に高まっている。
なぜ今「大型植木」が必要とされるのか。背景として塚本代表は、デジタル疲れによる世界的な自然回帰の流れを挙げる。「AI時代だからこそ人は自然を求め、キャンプブームはその象徴だ。オフィスでも植物セラピー導入が増えている」と指摘する。大型植木導入の具体的メリットは、日本文化を直感的に伝えられること、SNSでの拡散、非日常演出による客単価向上、ブランドイメージ向上、リピート促進など多岐にわたる。同社は「一つ置くだけで空間がブランド化する」点を最大の強みとしている。
明治から続く「目利き」の技術を持つ塚本樹苗園は、100年以上の歴史の中で選樹、剪定、育成に関する専門技術を培ってきた。特に千葉県内などで見られる「枝を少し下げて形を整える造作」は、海外からも高い評価を受け、日本の美を象徴する造形美として支持されている。同社は長年の知見を活かし、一本一本の状態を見極めた上で、事業者にとって最適な提案を行っている。
今後のビジョンとして、輸出再強化も見据えつつ、現在は「国内向けの価値提供」を主要な使命と捉えている。「旅館、飲食店、そして観光地にとって、植木は文化を伝えるメディアとなり得る。日本を訪れる全ての人に、本物の美しさを提供したい」との意向を示す。現在、同園はインバウンド特化の「シンボルツリー導入プラン」の整備を進めており、宿泊施設等からの問い合わせも実際に増加しているという。
日本文化を支える同園の技術は、明治期の種苗事業に始まり、バブル期の需要、海外富裕層との取引を経て、100年以上の歴史の中で磨き上げられてきた。この「目利き」の力が、訪日客の体験価値を支える重要な基盤となっている。日本文化を象徴する植木は、旅館や店舗の価値を高め、魅力を発信するための重要な「文化資産」としての役割を新たに求められている。塚本樹苗園の挑戦は、国際経済の変動と観光市場の拡大に対応する戦略的な取り組みとして、今後も続いていくだろう。
ショップURL https://gardentree.base.shop
連絡先:0479-74-7417
【編集:Y.U】








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