2026年1月4日、フィリピン南部の中心都市、ダバオ。かつて日本人にとって「物価の安さと強い円」を享受できる楽園だったこの地で、今、日本人旅行者が厳しい現実に直面している。


その他の写真:イメージ(2026年1月4日撮影)

 トリル地区に滞在する日本人旅行者のAさんは、ダバオ市内の有力両替所「JLA Money Changer」を訪れた。65万円というまとまった資金を手に、少しでも有利なレートを期待していたが、窓口で提示された数字は「1万円=3,660ペソ」。かつてのレートを知る者にとっては、まさに「悲しい結果」となった。

■ 地方都市ゆえの「二重苦」

 なぜ、これほどまでに目減りしてしまったのか。背景には、世界的な日本円の独歩安に加え、フィリピン地方都市特有の事情がある。

 マニラのような大都市に比べ、ダバオなどの地方都市では日本円の流通量が限られる。そのため、両替商側の在庫リスクや輸送コストが上乗せされ、どうしてもレートが「渋く」なりがちだ。JLAのような優良店であっても、抗えないマクロ経済の波がそこにはあった。

■ 膨らむ負担、縮むレジャー

 65万円という大金を両替しても、受け取れるのは約23万8,000ペソ弱。これが数年前であれば30万ペソを優に超えていた計算だ。この差額は、現地での高級ホテル宿泊数日分、あるいは豪華な食事数十回分に相当する。

 窓口で笑顔を見せる現地の担当者とは対照的に、日本円を差し出す旅行者の表情は曇る。
「日本円が弱い」という冷徹な事実は、南国の強い日差し以上に、日本人旅行者の心に重くのしかかっている。
「地方都市での両替は、今や忍耐の試練だ」――。Aさんが手にしたペソの束は、かつてより確実に薄くなっていた。
【編集:af】
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