フィリピン中部セブ島で、年間最大の宗教行事「シヌログ祭り」が最高潮を迎えている。メインイベントとなるグランド・パレードが行われた2026年1月18日、街は夜明け前から独特のドラムのリズムと人々の熱気に包まれた。


その他の写真:2026年1月18日撮影

 パレードは市内のキャレッタ墓地付近を起点に、オスメニア通りやマンゴー通りといった主要幹線道路を周回する。沿道は、豪華絢爛(けんらん)な隊列を一目見ようとする市民や観光客で立錐(りっすい)の余地もないほどの混雑を極める。

 混雑を回避するため早朝に起点へと向かった。中心部に比べれば人波は幾分穏やかだが、それでも祭り独特の昂揚(こうよう)感が漂う。不特定多数が密集する場ゆえ、スリなどの被害を防ぐため、服装は軽装に徹し、所持金も必要最小限に留めるのが現地での「鉄則」だ。

 パレードの編成は、フィリピンの最小行政単位である「バランガイ(区・町)」や大学、協賛企業といった団体ごとに構成される。隊列の先頭では、華やかな衣装に身を包んだ踊り子が、守護聖人である聖児像「サントニーニョ」を高く掲げて優雅に舞う。それに続くのは、趣向を凝らした極彩色の衣装をまとった大勢の踊り子たちだ。

 さらに、太鼓や木琴、金管楽器で構成された楽隊が、シヌログ特有の力強い旋律を街中に響かせ、行進に拍車をかける。視界を埋め尽くす色彩と、地響きのような打楽器の音。その圧倒的なエネルギーを肌で感じるとき、これこそがフィリピンを代表する祭典であると、改めて確信せずにはいられなかった。

【取材/撮影:アクティブシニア・マクタン島木曜会・吉田正昭】
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