フィリピン南部ミンダナオ島の中心都市ダバオ。その郊外、トリル地区に広がる新興住宅地「デカホーム・ニュータウン(DECA HOMES MULIG)」のメインストリートが、旬の味覚を求める住民や通行人で活気づいている。
街路に面した商店の軒先には、鋭い棘に覆われ、独特の香りを放つ「果物の王様」ドリアンが山積みとなり、南国特有の光景が広がっている。

その他の写真:ダバオでドリアン

 販売されているドリアンの価格は、1キロ当たり60ペソ(約160円)と非常に手頃だ。店頭に並ぶ標準的なドリアンの重さは2キロ弱で、実際に割ってもらった一玉は109ペソ(約300円)だった。地元では、店先で大きなナタを使って殻を割ってもらい、鮮度が最も高い状態でその場で果肉を頬張るのが最も贅沢で健康的な食べ方だとされている。

 ドリアンはその強烈な臭いから敬遠されることもあるが、実は極めて栄養価が高い「スーパーフード」としての側面を持つ。ビタミンB群やビタミンCを豊富に含み、疲労回復や免疫力の向上に寄与するほか、カリウム、マグネシウム、鉄分といったミネラル分も多く、貧血予防や高血圧の抑制にも効果があるとされる。また、アミノ酸の一種で「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの材料となるトリプトファンが含まれており、精神の安定や睡眠の質の改善を助ける働きも期待できる。

 東南アジアでは古くから「体を温める食べ物」として重宝されており、血行促進や代謝の向上に役立つとされる一方で、エネルギー密度が高いため、現地では滋養強壮の源として親しまれている。熱帯の陽光を浴びて育ったドリアンは、まさに生命力の塊だ。濃厚なカスタードのような甘みとともに、現代人に不足しがちな栄養素を効率よく摂取できるこの果実が、急成長を遂げる新興住宅地の日常を健やかに彩っている。
【編集:eula】
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