フィリピン南部の中心都市ダバオ。その郊外に位置するトリル地区の活気ある街角から、香ばしい匂いが漂ってきた。
フィリピンの祝宴には欠かせない国民食、豚の丸焼き「レチョン」だ。

その他の写真:2026年1月31日撮影

 数ある専門店の中でも、地元客が「ここが一番」と太鼓判を押す名店がある。店頭には、黄金色に焼き上がったレチョンが鎮座し、注文が入るたびに威勢よく肉が切り分けられていく。少量の量り売りは1キロあたり800ペソ(約2100円)。一口頬張れば、驚くほどパリパリとした皮の食感に続き、閉じ込められていた肉汁が口いっぱいに広がる。近隣の数店舗を食べ比べたが、ここのジューシーさは群を抜いていた。

 本格的に宴を催すなら、一頭丸ごとの注文が醍醐味だ。価格は生体重量によって決まり、18~20キロ級の8000ペソ(約2万1000円)から、37~39キロ級の1万2000ペソ(約3万1500円)まで細かく設定されている。家族や友人が集まる場にこれがあれば、盛り上がりは最高潮に達するだろう。

 南国の太陽の下、ジューシーな肉を囲んで笑い合う。そんなダバオの日常に溶け込む至福の味わいは、一度体験すれば忘れられない旅の記憶となるはずだ。
【編集:Eula】
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