【その他の写真:2026年2月撮影】
ダバオで見かけるアバンザ・タクシーの多くは、排気量1300ccのエンジンのマニュアル車。洗練された走りと都市部での小回りに定評があるヴィオスに対し、アバンザの最大の武器はその多機能性と頑健さにある。特に、大家族が一度に移動することが日常茶飯事であるフィリピンの社会文化において、最大7人が乗車できる収容力は、5人乗りのセダンにはない圧倒的な優位性をもたらしている。
また、熱帯特有の激しいスコールによる道路冠水や、郊外に点在する未舗装路といった過酷な道路環境も、この「ミニバン・シフト」を後押ししている。セダンに比べて高い地上高を持つアバンザは、浸水による故障リスクを抑え、悪路でも安定した走行が可能だ。運転手たちにとって、車両の故障は即座に収入の断絶を意味するだけに、この信頼性の高さは何物にも代えがたい。
この車両選択の背景には、フィリピン特有の「バウンダリー(境界)制」と呼ばれるタクシー運営の仕組みが深く関わっている。これは、運転手が車両所有者(オペレーター)に一定の「車両貸出料」を毎日支払い、それを超えた売り上げを自らの収入とする仕組みだ。燃料費や日々のメンテナンスコストは運転手側の負担となることが多く、いかに効率よく客を拾い、故障なく走り続けるかが生活の質を左右する。一度に多くの客を運べる可能性があり、かつ堅牢なアバンザという選択は、極めて合理的な生存戦略といえる。
さらに、フィリピンのタクシー事情を語る上で欠かせないのが、近年の厳格な法規制と安全管理の徹底である。
経済成長の熱気に包まれるミンダナオ島。その玄関口で砂塵を舞わせながら走るアバンザの姿は、単なる移動手段の変化にとどまらず、家族の絆を重んじる文化と、したたかな実利主義が融合した、現代フィリピン社会の縮図そのものと言えるだろう。
【編集:Eula】








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