【その他の写真:パンクしたタイヤ】
日本では遭遇すれば不運の極致とされるパンクだが、未舗装路や工事現場が至る所に点在し、路面にガラス片や釘が「天然の罠」のように散乱するフィリピンでは、いわば日常のスパイス。ここで立ち往生するかと思いきや、救いの手は現代フィリピンの生活インフラであるソーシャルメディアから差し伸べられた。ニュータウンのFacebookグループでSOSを発信するやいなや、わずか5分後には「コーキー・カーレンタル・サービス」の精鋭スタッフ2名が現場に急行。手際の良さでジャッキを掛け、ものの数分でスペアタイヤへの交換を完了させたのである。作業費用は500ペソ(約1300円)。「特急料金込み」と考えれば、なんとも小気味よい助っ人たちの登場劇であった。
「ホイールの真ん中に、あるはずのトヨタマークがないぞ?」。さらに、タイヤを裏から覗き込むと、そこには「DUNLOP(ダンロップ)」の文字。この「5本目のミステリー」は、実はトヨタがこの過酷な地に送ったアバンザの「機能美」を象徴するものだった。
そもそも、タイヤそのものは装着中の4本と全く同一の「ダンロップ・エナセーブ EC300+」である。左右非対称のトレッドパターンを持つこの実力派タイヤは、車体下に吊り下げて保管される際、固定金具を通すために中央のキャップが外され、汚れから表面を守るために裏返しにセットされている。つまり、ロゴの向きも、エンブレムの不在も、すべては「いざという時に確実に機能させる」ための合理的な設計の産物なのだ。パンクしたタイヤからキャップをポロッと外し、スペアの穴にパチッとはめ込めば、たちまち元の凛々しい姿に戻るという寸法である。
ここで、海を隔てた日本の近況に目を向けると、この「5本目のタイヤ」を巡る事情は劇的に変化している。燃費向上に向けた軽量化とコスト削減の波に押され、今の日本で発売される新車の多くは、スペアタイヤそのものを「リストラ」してしまった。代わりに液体ゴムを注入する応急修理キットのみ。「タイヤが破れたらお手上げ」というストイックな仕様が主流となっているのだ。
そんな中、アバンザGが頑なに守り続けている「フルサイズ・アルミホイールのスペア」は、もはや贅沢品とも言える装備である。細くて頼りない「テンパータイヤ(応急タイヤ)」ではなく、走行用と同じ16インチのアルミを5本揃える。これこそが、穴ぼこだらけの路面や予測不能なトラブルが待ち構えるフィリピンへの、トヨタ流の「誠意」に他ならない。
フィリピンでは「バルカナイジング」と呼ばれる伝統の熱補修技術が、タイヤに再び命を吹き込む。
【編集:Eula】








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