世界的な労働市場の変容に伴い、特定の企業に属さないギグエコノミーが欧米を中心に急速に拡大している。日本国内においても副業の解禁やリモートワークの普及を背景に、フリーランスや個人事業主の数は数百万人の規模に達していることが内閣府の調査で明らかになった。
こうした働き方の多様化が進む一方で、個人が直面する大きな壁となっているのが税務管理と資金調達の課題である。安定した売上を確保しながらも、事業拡大に向けた融資のハードルを越えられず、成長の機会を逃すケースが後を絶たない。

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 こうした構造的な課題に対し、確定申告支援サービスを展開する株式会社DefactoOneは、フリーランスに特化した税務コンサルティングと融資支援を一体化させた新サービスであるスマカク融資プラスを開始した。同サービスを牽引する代表の浦部裕次氏は、自らも個人事業主として活動した経験を持ち、税務や資金に関する知識の不足が事業の選択肢を狭めてしまう現状を強く危惧してきた。同氏は、売上があるにもかかわらず、税務や融資の仕組みが不透明であるために挑戦を諦める人々を数多く目にしてきたという。

 これまで提供されてきたスマカク for フリーランスは、記帳から確定申告までを年額制でサポートし、利用者の目線に立った簡便な設計で支持を広げてきた。今回新たに導入されたスマカク融資プラスは、確定申告を単なる義務としての納税作業ではなく、金融機関からの信用を得るための経営資料として再定義する点に最大の特徴がある。フリーランスの多くは申告内容が整理されていないために融資の検討段階で断られることが多いが、新サービスでは融資を見据えた数字の整え方や収支構造の可視化を支援する。

 具体的には、中小企業診断士や行政書士などの専門家と連携し、金融機関が重視するポイントを抑えた帳簿作成や提出書類の準備を包括的にサポートする体制を構築した。融資支援に付随しがちな高額な成功報酬を抑え、個人が持続的に利用できる価格設定とした点も、新たな経営インフラとしての普及を狙った戦略といえる。浦部氏は、適正な申告実績が将来の法人化や大規模な資金調達に直結すると説く。

 株式会社DefactoOneは今後、フリーランスやひとり法人を対象としたスマカク経理顧問サービスの提供も予定している。
月次記帳や試算表の作成、簡易的な税務相談を通じて、経理担当を置かない小規模事業者の計数管理を支援する方針だ。将来的にはスマートフォン1つで全ての会計管理が完結する世界の実現を目指しており、心理的ハードルの高い税務を経営判断の材料としての日常的なツールへと変革させる構想を描いている。自由な働き方を支えるためには、全ての責任を負う個人を守り、攻めの経営を可能にする環境整備が不可欠であり、今回の取り組みは日本の労働市場における新たなフェーズへの移行を示唆している。
【編集:Y.U】
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