ライブ配信を通じて商品を販売したり、視聴者から投げ銭を受け取ったりするライブ配信市場が、世界中で爆発的に拡大している。先行する中国では、ライブコマースと呼ばれる配信を通じた買い物の市場規模が年間数十兆円に達しており、配信者はライバーと呼ばれ、あこがれの職業の一つとして定着した。
アメリカでも大手ネット通販サイトや動画投稿アプリが相次いでライブ配信機能を強化しており、国境を越えた巨大な経済圏が生まれつつある。

その他の写真:エピグループ

 日本国内でもTikTok(ティックトック)を中心に、若年層の間でライブ配信は身近な娯楽から新しい働き方へと姿を変えている。しかし、市場の急成長にルール作りや教育が追いついていないのが現状だ。事務所とのトラブルや、サポート不足で配信を諦めてしまう人が増えているという課題も浮かび上がっている。

 こうした業界のひずみを解消し、配信者の育成と健全な運営を両立させているとして注目されているのが、エピグループ代表・中村彰宏氏(通称えぴろ)が率いるエピグループ株式会社だ。同社はティックトックを中心としたライバーのマネジメントと育成を手がけ、現在は約20000人の所属ライバーを抱える国内最大級のネットワークに成長している。

 代表の中村彰宏氏は、もともと芸能界や大手IT企業の出身ではない。個人が正当に評価される場が少ない社会に対して疑問を抱きながら、自らも現場で経験を積んできた人物だ。中村氏がライブ配信の世界に可能性を感じたのは、学歴や肩書きに関係なく、誰もが平等に挑戦できる点だったという。話す力や共感する力、そして継続する力といった人間としての魅力がそのまま価値になる世界。一方で、業界が急激に大きくなったことで、稼げるという言葉だけが独り歩きし、配信者が使い捨てのように扱われる現実にも直面した。

 このままでは、ライバーという職業そのものが社会的な信用を失ってしまう。
そのような強い危機感から、中村氏は、まず稼がせることよりも、長く続けられる環境を整えることを事業の中心に据えて同社を立ち上げた。

 エピグループの最大の特徴は、徹底した育成体制にある。所属するライバーは、実際に成果を出してきたトップライバーの経験者や専任のマネージャーから、1対1で細かな指導を受けることができる。教える内容は配信のテクニックだけにとどまらない。1日の時間の使い方や目標の立て方、心のケア、さらには規則正しい生活リズムの守り方に至るまで、長く活動を続けるための土台作りに重点を置いている。また、報酬の仕組みや事務所の方針についても包み隠さず開示しており、何をすれば評価されるのかを明確にしている。こうした誠実な姿勢が、所属する20000人ものライバーからの厚い信頼につながっている。

 同社に所属するライバーの顔ぶれは実に多彩だ。有名になりたい若者だけでなく、地方に住む人や育児中の主婦、会社員として働きながら副業で取り組む人など、生活環境はさまざまである。彼らに共通しているのは、ライブ配信を通じて、誰かに必要とされる喜びや、自分の言葉が誰かの心を動かしたという実感を得ていることだ。こうした成功体験は自分に自信を持つきっかけとなり、配信以外の仕事や日常生活にも前向きな影響を与えているという。エピグループはライブ配信を単なるお金を稼ぐ手段としてではなく、社会に参加し、自分を成長させるための入り口として位置づけている。


 今後、ライブ配信市場は広告やネット通販、娯楽などの分野とさらに深く結びつき、より大きな市場になると予想されている。しかし、誰でも簡単に参入できるからこそ、実績や体制が整っていない事務所が乱立する恐れもある。市場が成熟していく過程では、教育や運営の実績を積み重ねてきた企業が、業界の新しい基準を作っていくことになるだろう。

 ライブ配信は、もはや一部の特別な才能がある人だけの場所ではない。大切なのは誰が配信するか以上に、どのような環境で育てられるかである。エピグループ代表・中村彰宏氏(通称えぴろ)が進める取り組みは、急成長する市場で質と量の両方を高めるための、これからのモデルケースといえる。ライバーという仕事が新しい職業として日本社会に根づいていく中で、同社の役割は今後さらに重要になっていきそうだ。
【執筆:Y.U】
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