フィリピン航空は2026年2月19日、国内線の全路線を対象に、小型犬を客室内に同伴できる新サービス「FurPAL(ファーパル)」を開始したと発表した。これまで同国の航空業界では、ペットは貨物室に預けるのが一般的だったが、愛犬家からの強い要望や動物愛護への意識の高まりを受け、国内で初めて本格的な客室内同伴サービスに踏み切った。


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 同サービスは2025年11月から一部の主要路線で試験的に導入されていた。期間中の利用実績が堅調に推移し、他の乗客への目立った影響も確認されなかったことから、このほど全路線への拡大を決定した。フィリピン航空によれば、コロナ禍以降、フィリピン国内でも「ペットは家族の一員」という価値観が急速に浸透しており、移動中も目が届く範囲に置いておきたいという飼い主の切実な声がサービス化の大きな原動力になったという。また、貨物室の温度変化や騒音がペットに与える負担を軽減したいという安全面での配慮も、導入を後押しした背景にある。

 利用には一定の制限が設けられており、対象は小型犬に限定される。犬とキャリーバッグを合わせた合計重量が10キロ・グラム以下であることが条件で、生後8週間以上かつ離乳済みでなければならない。猫については、今後の需要や運用状況を検討した上で、順次サービスを開始する方針だ。料金は全国内線一律で片道2500フィリピン・ペソ(約6700円)に設定された。予約は同社公式サイトから航空券を購入する際、追加オプションとして選択する形式をとる。

 機内での安全と衛生を確保するため、厳格なルールも定められた。利用者は最大43センチ、横28センチ、高さ24センチ以内のソフトバッグを用意する必要がある。バッグは底面に漏水防止加工が施され、少なくとも2面に換気パネルを備えたものでなければならない。
飛行中、犬はバッグから出すことは禁じられ、前の座席の下に収納することが義務付けられる。また、周囲の乗客への配慮として、チェックインから降機までおむつの着用が推奨されているほか、健康上のリスクを考慮し、ペットへの鎮静剤の使用は禁止されている。

 手続きには専門的な書類の準備も求められる。搭乗当日のチェックイン時には、同社指定の免責同意書のほか、出発数日以内に発行された獣医師による健康診断書、有効な狂犬病予防接種証明書、さらにフィリピン動物産業局(BAI)が発行する輸送許可証を提示しなければならない。

 1フライトあたりの受け入れ上限は最大3匹までで、乗客1人につき1匹に制限される。座席についても、バッグを適切に配置できるよう、同社が指定する特定の窓側座席が割り当てられる仕組みだ。フィリピン航空は、この新サービスを通じて顧客満足度の向上を図るとともに、ペットとの旅行という新たなライフスタイルの定着を目指す考えだ。同社の広報担当者は「愛犬との旅をより身近なものにすることで、空の旅の可能性を広げていきたい」としている。
【編集:Eula】
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